迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


糸口1

 会社を出てスマホにメールが入ってきた。
『やはりもう尾行が付きました。後ろから大きな鞄を抱えた男一人が付いてきています。私は写真を撮り所属を調べます。マンションを知られるのは不味いので帰りはタクシーで慎重に』
 私はあえて歩いてエリの新しいマンションまで来た。30分ほど待ってオートドアーの中に入る。時計を見るとまだ3時前だ。エリの部屋の階までエレベターで上がり玄関の前のポストに私の名刺を入れる。それからエレベター前の椅子に腰を下ろす。私の代官山のマンションから遠くない。いやここから見える。
 ポケットのスマホを覗くと、神部からではなくアゲからだ。
『やっとのことでエリのパソコンの中に入ったよ。だけど二重にガードされているファイルがあって証拠という題名が付いている。メールは上辻専務とライブの会長のメールが半分半分でこれは添付しているからそちらで見てね。それと畠山のパソコンに妹とやっているやばい写真が入っていたよ!報酬料ありがとう!』
 畠山はすでにチェリーの手に落ちた。
 この場所に来て1時間がたった。外の尾行者からのメールを受け取ったのかエリの部屋のドアが薄ら空いた。エリの顔がのぞいている。
『復讐なの?』
 エリからのメールだ。
『謎を解きたい』
 エリも私もメールを変えていない。
『嫌いじゃなかったのよ。でも最初からの目的があった』
『上辻専務か?』
『どうかしら?』







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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2018/04/26(木) 06:36:06|
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宣戦布告12

 畠山を脅して『梨花』のホステスにチェリー名でクラブに出るようになった。ヒロはサブで5時から入店している。11時には店から出るようだ。私は今日は神部と9時に『梨花』に遂に登場だ。神部はもう5回も来ていて年配ホステスの口座ができている。ここでは私が彼の上司だ。
 ボックス席に座るとホステスがすでに座っていて、二人が掛けるとサブの若い子が付く。私は室内を見渡すがチェリーの姿は見つからない。
「ママは?」
「今日は10時に渡辺会長と食事を済ませて同伴の予定よ」
「渡辺会長というのはライブの?」
「そうよ。そうね、1か月に2から3度は同伴されていますね」
 神部は巧みに『梨花』のママと同伴のことを聞き出している。上辻専務は滅多にママの同伴をしないようで、お腹が少し目立つようになって他の客との同伴はせず、10時に来て12時には帰るようだ。
「すいません」
 私の肩にぶつかって謝った女の声がした。チェリーだ。
「ごめんなさいね。サブの子なの。でももう人気なの。若いっていいわね」
と年配のホステスがやはり私の隣に座っているサブに笑っている。
「そうなの。最近は上辻専務の席にばかり呼ばれているわ」
 サブの子が睨みながら言う。ヒロは思ったよりうまく溶け込んでいるようだ。
 いつの間にか渡辺会長が斜め前のボックスに座っている。その瞬間歩いてきたエリと目が合った。一緒に暮らしていたころより少しふっくらしている。だが目は鋭い。
「久しぶりね?」
「えらい発展ぶりでおめでとう!」
「しっかりお世話になった」
 これからがお楽しみだと心の中でつぶやいた。








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  1. 2018/04/25(水) 06:49:33|
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宣戦布告11

「やめとけ!」
「やる!」
 大げんかの末私が折れることになった。ヒロがスマホのやり取りの上、畠山とラブホテルで会うことになった。チェリーとして畠山を抱き込んで彼が通っている『梨花』に入るのだ。ニューハーフの店はしばらく休むと決めていている。それでその話に乗ることにした。
 チェリーと畠山が池袋で落ち合ってホテルに入った。私は先にそのホテルの隣の部屋に入って待機している。イライラして時計をにらんでいる。まだ20分ばかりなのに恐ろしく長く感じる。
『入って』
 メールが流れてくる。慌てて隣の部屋の前に立つ。万が一を考えて鳥打帽にサングラスをかけている。ドアのカギはあけられている。
「写真を撮って!」
 ヒロの声が響く。全裸の畠山のものを全裸のチェリーが咥えている。睡眠薬を飲ませたようだが突っ立っている。
「私の顔と畠山の顔を入れるのよ」
 私はポケットに入れてきたデジカメを構える。チェリーは手首を後ろに縛っている。畠山の手にジャックナイフを握らせている。そのナイフもしっかり画像に入れる。チェリーは次に立ち上がって畠山の股間にまたがり、その突き立ったものを受け入れる。
「私の尻から畠山の顔も入れるの」
 このポーズではヒロのアナルがしっかりと開いて見える。次はその形でチェリーが急いで口でフェラを始める。私のものがピンと立ち上がっている。5分で慌てて口を話す。だらりと白い精液が流れ出ている。そのタイミングでシャッターを切る。
「もういい!」
「妬けた嬉しい!」
 ヒロは立ち上げるとすばやく服を着る。用意していた手紙を畠山の顔に被せる。
「ナイフは?」
「これはいつも持ち歩いている畠山のものよ」
















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  1. 2018/04/24(火) 05:49:11|
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宣戦布告10

 3日後に水野から連絡がありお昼に30分の時間が取れたとあった。そこはテレビ局の中の喫茶ルームだ.。もう世間には上場が伝えられていて、この後テレビ番組の撮影があるという。水野はかなり女社長に気に入られているようだ。私は水野の先輩として紹介されている。
「忙しいところすいません」
「調査部というのはどんなところなのです?」
 コーヒーを飲みながら名刺を抓んでいう。やり手の女社長という匂いがする。
「私は上場した企業の再調査を行っています」
「私の会社に何か問題でも?」
「いえ、前回のライブの上場に問題が残っています。秘書の自殺について他殺とする意見もあります」
「初めて聞きましたが?」
「それと未解決の未公開株の問題です。ライブは今まで相当数の不明な個人の持ち株があります」
「そうなんですか?」
「これは前回の事件の時の状況を伝えている週刊誌の記事です」
 私は彼女は係わっていない直感を持った。それで持ってきた週刊誌のコピーを渡した。そろそろ隠れた調査では限界がある。
「ライブの会長とは?」
「学生時代に会長の塾に入っていたのです。会社を作った3年後に会長から個人投資を受け去年正式にライブから5000万受けて上場の手続きに入ったのです」
「主幹事は当社ですが?」
「ええ元々でも会長が小回りの利く証券会社を副幹事に」
「とくに今回の未公開株の中身は慎重に」






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  1. 2018/04/23(月) 06:52:06|
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宣戦布告9

 探偵の話に思い付いてエリが使っていたパソコンのアドレスをアゲに送った。それと合わせて正式に正一の会社に依頼料の一部として証券会社の経費で50万を送った。アゲをタダ働きさせるわけにはいかない。
 3日に一度エヌに行っている水野が戻ってくる。
「未公開株の募集が決まりました」
「いよいよだな」
 顧問室で3人がファイルを手に座る。
「これが顧問の息子さんの証券会社の畠山のパソコンにあったリストです」
「そんなものが手に入るのだな」
「これとライブから出てくるリストを突き合わせてください」
「『梨花』というクラブのホステスだと言っていたが?」
「突合せをすましましたが、9割は間違いないです」
「水野さん、一度この肩書きでエヌの社長を紹介してもらえませんか?」
「それはいいですよ。でもどうして?」
「彼女も分かっていてライブの会長と組んでいるのか知りたいのです」
「そんなタイプには見えませんが?」
「それと『梨花』に昔の男として行ってみたいのですが?」
「どうして危険を冒す?」
「エリは秘書の殺害に関係しているのです」
 神部の証拠を見せて説明した。
「顧問にはエリの履歴書を調べてほしいのです」
 どうも専務の秘書になって女になっただけではないような気がするのだ。








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  1. 2018/04/22(日) 06:55:02|
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yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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