迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


切り込む12

 正式な畠山刑事告発の発表が警察からあった。だが被害額が不明とあった。今夜は岬のメールがあり9時に横浜のクラブに行く。また岬の狭間を見せられてはさすがに危ない。吉井組長が会いたいと言うことだ。
『・・・吉井組長は38歳で2つ下の奥さんに子供が2人います。実は奥さんは前の組長の先妻の一人娘で彼は若頭の時に結ばれている。前の調べで分かっていると思うが、内妻は彼の母親です。だから籍を入れられなかった』
 神部の報告を思い出しながら横浜のクラブに入る。すでに入口に岬が大きく胸の空いたドレスで立っている。
「どうして私の名が出た?」
「分からない」
 席に座ると耳元で話す。
「ここはオレオレ詐欺の連中の巣よ。西崎と組長はそれで繋がっていると思う。でも証拠がない」
「待たせたね」
 組長が前に座る。岬は席を立つ。やはりエリに似ている。
「私を知っているのですか?」
「ああ、私の彼女の恋人だった」
 まさか自分から切り出してくるとは思わなかった。
「エリは君を愛していた」
「それはないですよ。罠にかけられて退職しました」
「私も祝福していた」
「・・・」
「だが彼奴はまた修羅の道に戻った」
と言うともう立ち上がっている。待っていたように岬がコートを手に席に戻ってくる。
「話じっくり聞かせてね」
 腕をつかむとホテルに行く気だ。入れ違いに西崎がチェリーを連れて入ってくる。何と間の悪いことだ。ヒロの目から光が走っている。
「私はバージンではないから気にしないでいいのよ」
と岬はその気だ。










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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2018/06/23(土) 07:35:08|
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切り込む11

 水野を専務の元に出向させてライブ株の購入を慎重に始めた。私は女記者と打ち合わせをして例の記事を書かせた。これはライブを絡めたいがゆえの作戦だ。それで警察が任意でライブの会長を呼び出した。また一人で広い部屋でパソコンに向かっている。
 これは検察の男から貰った畠山の会社のパソコンの中身だ。これはNにとって都合のいいファイルだけが加工されてあるという感じだ。これをアゲに送って消された畠山のパソコンとスマホの記録と重ねて調べてもらっている。私は時計を見て11時30分には会社を出てタクシーで池袋の裏通りで降りる。
 ラブホテルの部屋の掲示板を見てエレベターに乗り込む。チェリーは昨夜店を休んで新宿のニューハーフの店でショーに出たようだ。それで朝食事を誘ってきたのだ。今はラブホテルでも豪華な食事が取り寄せられるのだ。
「待ってたよ!」
 ヒロがすけすけの下着でアナルを見せた格好でベットに誘う。だめだ。完全に立っている。それを引き出して美味しそうに舐める。これから1時間たっぷり精液を吸い出す。
「何か長距離恋愛みたい。燃える!」
「西崎とは?」
「キッスはする。この前はアナルに指を入れさせてフェラチオをした」
「やめとけよ」
「これも雄介のため。彼はエリと吉井組長のことを知っているのよ。やはり二人は会っているよ。繋ぎを西崎がしている」
「今西崎は何をしている?」
 Nの社長を辞めたところだ。
「私が思うに、彼はオレオレ詐欺のボスだと思うの。スマホを覗き込んだら凄いメールが入っていた。それに横浜のクラブに何人かの男や女が来てたよ」
 元々ライブのスタートはこの手の詐欺だったのだ。それでただ一人吉井組長と繋がっている。
「今日は?」
「5時に『梨花』に入る。今日はママは病院に行って休みだから私がママのお客さんを担当する」
「ママの体調が悪いのか?」
「いえ、子供のようなの」






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  1. 2018/06/22(金) 07:00:03|
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切り込む10

「社長の呼び出しよ」
 畠山の失踪からもう半月が経った。殺されたのかもしれない。隣の部屋だがわざわざ廊下に出て秘書に声をかけて入る。円卓には社長と並んで例の検察の男が座っている。
「切り口になるはずのNが閉ざされた」
 社長が並んでいるコーヒーを手に難しい顔をしている。
「Nが刑事告訴したのは知ってるな?」
「警察はなぜ公表をしないのですか?」
「畠山がすべての抑えるべきものを持って逃げた。これは殺されたとみるべきか?警察でも調べているが煙のように消えた」
「テレビ局は後手になってるようですね?」
「ああそうなんだ。不味いな」
 社長は行き詰っている顔だ。
「まずNの刑事告訴の前に例の記者にこの内容の記事を書かせてもらいたいのだよ」
とUSBを机のパソコンに差し込む。畠山がライブの会長に金を要求して、受け入れてもらえなくてNの金や脅す目的で資料を持ち出した。この資料は脱税の証拠だ。
「この記事で時間稼ぎですか?」
「ライブの会長を引っ張りたいのだ」
「何かいい手があるか?」
 私は持ってきたファイルを広げる。これはライブの株主構成で水野が調べたものだ。
「資金を集めるためにグループ会社がかなり株を手放しています。浮動株を買い占めませんか?資金は100億で監査請求ができますよ」
 二人で小声で話している。
「金は用意できるが、ここでは無理だ」
「前の証券会社で了解を取りますよ」












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  1. 2018/06/21(木) 06:41:48|
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切り込む9

 今朝の朝刊一面にテレビ局とライブの会長の会談の内容が載っている。ライブの役員を受け入れざる得なくなってから、ついに監査を入れるという話だ。そこまで株を買いこんできたわけだ。この資金はエヌの株価操作の金だと言われている。国税はNの査察の後行き詰っている。
 こうなると畠山の失踪は大きな空白だ。この時期にNから刑事告訴が出された。女記者に情報を聞いたが、告訴の内容をまだ警察が公表しないのだと言う。それで女刑事岬に警察内の詳細を聞いた。水野にコーヒーを入れてもらって最後になった時岬からメールが来た。
『これは公表はダメよ。Nの告訴状では社長になった畠山がNの資金とすべての内部資料を持ち出したとあるの』
『金額は?』
『調査中だと言うの。それで警察は今日にも前社長の西崎を呼び出している。西崎は昨日も横浜のクラブに来ていたわ。可愛い女の子を連れていた。ホテルに行ったのかも?』
 瞬間にヒロにメールを流す。
『昨夜西崎とホテルに泊まったのか?』
『どうして西崎と横浜のクラブに行ったの分かったの?まさかアゲに私の位置情報を取らせているの?』
 どうして嫉妬しているのか。
『今起きたところ。西崎は12時に吉井組長に呼ばれて出ていったわ。私は今起きたところ。ほら』
 写メールが流れてくる。ホテルのベットにチェリーの朝立ちが写っている。
『アゲのマネはよせ!』
『西崎は今日は警察に呼ばれているよ。独り言で彼奴も損くじを引いたってどういうこと?』
 彼奴、損くじ?、畠山を指している。西崎が仕組んだことではないようだ。
「また妹?」
 いつの間にか水野の顔がそばにある。朝立ちの画面でなくてよかった!
「覗き見はよくない」
「気になるんだなあ妹が」
「今日はライブの主幹事の証券会社でライブの株主構成を調べてきてほしいのだ。専務には了解をもらっている」










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  1. 2018/06/20(水) 07:02:38|
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切り込む8

『ねえ、変なのよ!畠山、パソコンもスマホも切断したよ』
 アゲのメールだ。
『もう少し分かりやすく説明しろよ』
『雄介が会ったという日の夜からなの』
『よし調べてみる』
 私はそのまま神部のスマホにかけた。それで探偵事務所の社員が畠山のマンションに走ってくれる。それからあの日会った彼の表情が険しかったことを思い出す。あれからだとするともう1週間は経っている。
『Nの調査は?』
 女刑事の岬のスマホに流す。
『西崎が社長が変わったと言うのでその畠山を呼び出しているのに来ない』
 入れ替わりに神部から連絡が入る。
『マンションは解約されて荷物も運びだされている。解約は本人から1週間前に連絡があり、違約金の清算もし荷物は翌日に社員と言う男たちが引き取りに来たと言うんだ。部屋の中も見たが何も残っていない。プロの仕事だと』
『アゲ、畠山の位置情報はどこで消えた?』
『今調べているけど、夜中までは横浜にいたはずよ。でも畠山が横浜に行ったことは調べてから初めてよ』
『交番からNに行かせたけど1週間前から出てきていないとのことよ』
 岬からもメールが入る。
 何かが空回りしている。だがエリは畠山の失踪を知っている。いや演出ができたはずだ。だが今彼が姿を消さなければならないのか。畠山はネット証券でエヌの不正操作を指示して解雇になっていた。それでNの社長になった。打がまだ仕事らしい仕事はしていないはずだ。








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  1. 2018/06/19(火) 07:20:27|
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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