迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


分裂4

 新生ライブはまだまだ先は多難だ。ライブの渡辺元会長が自らの退任を含めて取締役会決議無効訴訟を起こした。合わせ反落していた株価がじりじりと上がってきている。
「水野ライブの購入先を調べてくれ」
と言うと早めに会社を出る。早見社長から西崎に会ってほしいと依頼を受けたのだ。西崎はNも含めてキーマンの一人だ。この騒動の中で彼の名は上がっていない。Nは朽谷が兼務している。彼はライブのどこにも席がない。
 9時に横浜のクラブに入る。聞いていたのか岬が相変わらずエロいドレスでエスコートしてくれる。ボックスにはまだ西崎は来ていない。カウンターに吉井組長と西崎が並んでいる。組長の目がこちらを見る。ゆっくりと西崎が立ち上がる。
「岬の彼氏なんだな」
 抱いたことあるよと言う顔をしている。
「早見社長から協力関係をと言われているが、知ってのとおり前科があり裏の人間に徹している。Nを中心に整理を言われている。今の状態ではNを中心に警察の餌食になる」
「旧ライブのNは攻撃対象だったが、私の興味はもう薄れている。おそらくNは朽谷さんがかなり大胆な整理をしたようですね」
「もうすぐ手放すことになる。それでNごと離れることになる」
「吉井組長の元に入る?」
「そうなるな」
 岬はカウンターの組長の横に座っている。
「エリはどいう立場になります?」
「心は吉井組長にあるが欲望はライブの会長の渡辺にある。難しい女だ」
「会長はNを手ばなさないのでは?」
「そうだ。でも現場は知らないさ。お金のパイプが止まった。だが戦争だな」
 岬がコートを着て現れて会談は終了だ。岬は早足でホテルに入るとコートを脱ぐと素裸でお尻を突き出す。穴に押し込むとぬるりと入る。
「バイブで練習してきた」
 何という女刑事だ。







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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/06/27(火) 06:03:10|
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分裂3

 神部の事務所に朝から呼ばれた。ドアを押すと神部が包帯を巻いて座っている。マスクをかけたアゲがコーヒーを入れてくれる。目が緊張している。やはりまだ人と顔を合わせるのは厳しいようだ。抱かれるときのあのようなとろんとした目ではない。それでもパテントの中に入らず私の横に座る。
「どうしたんだ?」
「張り込みをしてたのですが、後ろから殴られてカメラは壊されるし、二人のところを収めていたんですがね。どうもやくざがエリのボディガードをしていたようです」
「吉井組長が出したのだろうな」
「二人は消えたのです」
「会長は東京の虎の門に。エリは横浜に別々に戻っているわ」
 アゲが説明する。
「それで社員をそこに向かわせています」
 スマホが鳴って神部が頷いている。
「エリは吉井組の事務所にいるそうです」
「いよいよ兄の吉井組長の登場だな。会長はどこに行ったのかな?」
『会長が虎の門にいると言う情報がありますが心当たりは?』
「別の調査会社を使って?」
「いや会長の奥さんだった早見社長です。彼女とはギブ&テイクの関係を結んだ」
『虎の門と言えば外資系の投資会社ですね。詳しい資料は添付するわ』
「この会社を調べて」
 神部が虎の門にいる社員にスマホを打っている。
『ヒロはチェリーとして『梨花』のホステスしてるの?』
 隣に座っているアゲがメールしている。
『どうしてわかった?』
『ヒロがランチを奢ってくれた』
『まさか!?』
『ヒロは私が目を見れる2人目』






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  1. 2017/06/26(月) 05:34:40|
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分裂2

 ライブの会議室には新聞記者、雑誌記者、証券会社、銀行等が集まった。女記者は最前列にカメラマンを置いて陣取っている。私は最後列に水野と並んで座る。広報の担当者がマイクの準備をしている。約束の時間きっかりにグレイのスーツ姿の会長の奥さんが現れる。
「実はライブの開発は彼女がしてきたのだ」
「会長は?」
「裏工作専門だよ」
 水野の耳元で囁く。
「先ほどライブの取締役会を開きました。会長は解任、以下2名の取締役も同様です」
 広報が用意していた新取締役の経歴書を配る。奥さんが社長でメイン銀行から役員を入れている。それに朽谷が常務に並んでいる。相当前から奥さんは用意周到に準備していたのだ。
「続いて早急にグループ会社の役員も入れ替えるつもりです。それと私は主人と離婚し、早見に戻ります」
 1時間ばかりの説明を終えると新聞記者たちは走り出して外に出た。
「少しコーヒーをいかがですか?」
 早見社長が立っている。隣の社長室に招き入れる。水野は不思議そうについてくる。
「やはりすでに綿密に計画されていたのですね?」
「いえ張りぼてです」
「会長は同意されているのですか?」
「奇襲作戦です。これしか生き残る方法が見えなかったのです。だからこれからが闘いです。主人はきっと今エリさんと会っているはずです」
「西崎さんは?」
「彼は唯一裏の会社を整理できます」
「私に何ができます?」
「あなたはエリさんを追い詰めることができる唯一の人だわ」
「組める範囲で組みますよ」



 





テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/06/25(日) 06:46:57|
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分裂1

 朝刊の1面にライブの改善命令が載り、追い打つように週刊誌がライブ倒産の危機を煽る記事が出た。株価は反落しグループ会社にも同様の陰りが出てきた。神部からの報告では会長は姿を消したと言う。第1調査課の応援部隊も帰り、部屋の中は今日の冬曇りのようにどこか肌寒い。
「次は何をするの?」
 水野がコーヒーを入れて新聞紙と週刊誌の山にため息をついている。
「社長はここは一応評価できる終点とみているが、私はここからが山だと思っている」
「どういう意味?」
「ライブの問題点は少しも片付いていないし、エリの問題はまさにこれからだ」
 私はある日不正で証券会社を追われ、結婚予定のエリに裏切られた。なぜ?それにはまだ回答が出されていない。そのために私はこの会社に来たのだ。
『会長とエリは熱海のホテルにいるよ。今社長が熱海のホテルを探し出した。昨夜から夫婦の偽名で泊まっている』
 アゲに二人の位置情報を追わせていたのだ。エリが必ず絡んでくると見たのだ。
『アゲ、ヒロのスマホに入ったな?』
『ごめんなさい。二人のセックス見たら毎日オナニーばかり』
 また指を入れている画像が流れてくる。
『ヒロと最近メールで話している。二人とも雄介が好きでエッチが好きだから』
「また妹?」
「妹は彼氏ができたようで家にも寄り付かない」
「へえ!寂しいね」
 割り込むようにメールが流れてくる。
『ライブの会長の奥さんが記者会見するよ。これから出てくる?』
 女記者のメールだ。
「これからライブの記者会見に出る。一緒に来るか?」
「ええ、行く」
 水野はもうコートを手にかける。






 
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  1. 2017/06/24(土) 06:07:39|
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秘密12

 証券監視委員会に社長と出席した。すでに書面は上げているので最終回答となるようだ。
「エヌだけでなく今までの株価操作は違法と言えます。上場廃止と言う意見もありましたが、これは多大の影響があり見合わせることとなりました。と言うことで改善命令を出します」
 委員長の言葉に社長が手を挙げる。
「改善とは?」
「ここに詳しい規定を載せていますが、端的にいうと体制の変更を求めると言うことです」
「ざっくりと言うと代表者の交代?」
「それも一つです。もちろんこの件では地検や国税はまた別な判断をするでしょうね」
「この命令はマスコミにも?」
「もちろん公表されます」
 私は聞きながらスマホを打っている。社長は納得して私を外に促す。
「例の週刊誌にもっと具体的な記事を載せるのだ」
「ええ、もう原稿は出来ています」
「ライブはどうすると思う?」
 長い廊下を歩きながら話し合う。
「恐らく改善案を提出してくると思います。会社が分裂するのではないかと。社長はどこまでライブを追い込むのですか?」
「証券界を掻き混ぜないでくれればいいのだ」
「分かりました」
 この時ライブの奥さんの顔が浮かんだ。
『ライブの株は売り抜けたぞ』
 専務からだ。
「社長、ライブの株は売り抜けたようです。買い込んだライブは暴落しますね」











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  1. 2017/06/23(金) 07:05:27|
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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