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迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


暴露9

 なぜエリが不利になる証拠を警察に送ったのか。
『エリに指名手配が出たわ』
 ワゴンに入る前に岬からメールが入った。
「エリが朝から外に出ている。部下につけさせている。それとやくざの2人はどうもいないようです。買い物は西崎がしていて2人が出てきたのを見たことがないですよ」
 黒服に着替えていたらビニール袋を持ったエリが帰ってきた。その後に遅れて女性の部下がワゴンに入ってくる。
「どこに行った?」
「はい。弁護士に会っていた。内容は分からないけどずいぶん長い時間だったわ。それと弁護士の事務所を撮っておきました」
「ここは『梨花』の顧問弁護士事務所です」
 なぜ今顧問弁護士に会う必要があるのだろうか。
「今夜は私も行きますよ」
「どうして?」
「探偵の勘ですよ」
「なら岬にも来てもらおう」
「あの潜入刑事ですか?」
 メールが返ってきて10時に来ると言うことだ。
「エリの指名手配が出たのだ」
「証拠がないので保釈と?」
「どうも私が作ったUSBをエリが警察に送った」
「どうして?」








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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/02/20(水) 06:47:49|
  2. ミステリー
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暴露8

 夜が明ける前にワゴンに戻った。後ろの席に神部が寝袋にくるまって寝ている。
「彼女は?」
「通いですよ。残業手当は払えないですからね。で?」
「ヒロもエリもいた」
 抱き合っていたとは言えなかった。
「どうします?」
「今日は会社に出かけてまた夜ここに来る」
 着替えを済ませると会社に向かう。
「顔色悪いよ?」
 水野に言われて机の新聞を広げる。
 保釈取り消し!と大きな見出しが躍っている。ライブの会長は仲間を使って身の潔白を日々載せている。これは警察への挑戦とマスコミが煽っている。
『岬、何かあったのか?』
『凄い投書があったの。エリが秘書にホテルに入った映像と、畠山がライブの会長に指示を受けた証拠がUSBに入っている。これあなたのね?』
『いや違う。送ったのはエリだ』
『なぜ?』
「妹さん?」
 水野が覗き込んでいる。
「女記者のところによって直帰するから」









テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/02/19(火) 06:12:38|
  2. ミステリー
  3. | comment 0

暴露7

 0時を回った。私は黒い服に着替えて装備を入れた袋を抱えて文化住宅に入る。懐中電灯の光が真っ暗な建物の中を照らす。鉄板に手をかける。重いのではなく動かない。ナイフを差し込んでみる。やはり仕掛けがあった。それからは簡単に動いた。階段が続く。
 降りておくと扉があるが鍵はかかっていない。薄暗い安全灯が付いている。案外広いスタジオだ。ステージの周りに椅子が円形に50席ほど並んでいる。ステージの上には大きなガラスの箱にシートが被されている。ステージの裏に小部屋がある。その横に通路があってドアが並んでいる。4つもドアがある。
 どのドアも鍵が掛かっている。3つは閉まっていたが一番奥のドアが開いている。部屋はシングルのベットが2つ並んでいる。ここにスタッフや女優を泊めるのだろうか。中にはシャワー室もある。
 壁の向こうから人の呻き声がする。壁に耳を付ける。
 これは呻き声じゃなくて喘ぎ声だ。よく聞きなれたヒロの声だ。抱いているのは3人の男の誰かか。
「気持ちいい?」
 エリの声だ。エリがここにいる。
「彼のはどうだった?」
「凄きいい!」
「彼に少し前にアナルを初めてしてもらったけど、チェリーが教えたのね?」
「はい」
「好き?」
「はい。でも昔は相手にされなかったのです。フェラだけの仲間たちの道具だったのです。彼もその一人」
「悲しいね」
「でも今は女らしくなって愛してくれている」






テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/02/18(月) 05:06:46|
  2. ミステリー
  3. | comment 0

暴露6

『あの文化住宅がスタジオの入口だ。西崎が今出ていった。慎重に張ってくれ』
 神部にメールを送る。木材置き場を回る。だがどこにも入り口がある形跡がない。仕方がなく材木の後ろの窪みに隠れる。15分が経って西崎がビニール袋を抱えて戻ってくる。
『今西崎が戻った』
 神部からだ。西崎の背中が見えしばらくして姿が消えた。私はゆっくりその場所まで近づく。僅かに地面が擦られた跡がある。この鉄板だ。この下にスタジオがある。
『スタジオの入口を見つけた。一度文化住宅に戻る』
 道路に出るとワゴンがゆっくり動いてきた。運転席に神部が載っている。窓ガラスにフイルムが撒いてあって中は見えない。ワゴンの中にはビデオを構えた女性が乗っている。
「このスタジオは最近は使われてないようです。文化住宅の住人に聞いてみたのですが、古い住人はスタジオがあるのを知っています。でもそれで半殺しに会った住人が出て今は誰も知らないふりをしています」
「もう一度夜に潜ってみようかと思っている」
「私も行きましょうか?」
「いや、まず確認だけにしたい。知られたら今度は探すのは難しい。それに西崎はイライラしている。なぜ交換条件を出してこないのか不思議なんだ」
「そうですね。エリとの話が纏まらないのでは?」
 どういう話をしているのだろうか。
「夜の捜査の一式を用意しますから食事でもしてきてください」
「小型のビデオも欲しい」
「用意します。確認したら通報しますか?」
「まだ待ってほしい」






テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/02/17(日) 06:44:48|
  2. ミステリー
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暴露5

『週刊誌を見た。殺すぞ!』
 西崎が再びメールを入れ来た。さすがにあの週刊誌の記事は効いたようだ。
『アゲまた入ってきた調べてくれ』
「室長この稟議決裁が取れたので作業に入りますよ」
 水野が稟議書を机に載せる。
「妹さんは?」
「まだどこかわからない。帰ってこないのかもな」
「兄さんも独り立ちの時よ」
『やはり前と同じ位置よ。でもこれは固定電話じゃない。やはり横浜』
 やはり移動していない。そう思うともう飛び出していた。あの文化住宅でタクシーを降りると、一人廊下を抜けて扉の前に立つ。ドアの向こうに小さな路地があってすぐ前にトタンの扉がある。だがその時に男の声がして慌てて廊下に戻って2階に上がる。
 西崎だ。やはり彼はここにいた。彼は廊下を抜けると建物の外に出る。私は入れ替わるように向こう側のトタンの扉を開ける。広い空地があって倉庫の建物がある。倉庫の中には古い材木が置かれている。ヒロはここにいる。倉庫の中に入っていく。中は思ったより広い。建物の中は古い木材で使われている様子がない。突き当りには大きな引き戸があるが鍵が掛かったままで錆びたままだ。
 吉井組長はスタジオについては知らないのかもしれない。
『スタジオの入口は?』
 岬にメールを送る。
『やっぱり行ったのね?スタジオには組事務所からは入れないのよ。目隠しされて車で案内されるの。目隠しを取ったらそこがスタジオだった』
『警察を送ろうか?』
『いや、まだヒロを見たわけではないから』







テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/02/16(土) 06:49:59|
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  3. | comment 0

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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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