迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


野望6

 第3弾の記事が出た。ライブの秘書の他殺説に具体的にホテルの廊下に写っている後姿の女の写真を載せた。これは会長でもエリでもどきりとする写真だ。同様にエヌの社長がライブの会長の別荘に拉致されたとも載せた。かなりギリギリの攻めだ。警察から記事に対する問い合わせがあったぐらいだ。
 今日は顧問と専務に秘密裏に会うことになった。ホテルの会食だが私たちは名を明かすことなくエレベターからそっと部屋に入った。表向き専務はチェリーを会食に呼んでいる。チェリーは私たちが部屋に入るとそっと外に出た。
「やはり顧問と組んでいたのか?」
 専務が煙草をイライラもみ消す。
「確かに今社長への昇進の約束を反古にされ副社長が来た。あのエヌの社長とのこともただ会長の別荘に呼ぶだけの話だった。だが急に写真を撮るようにと指示があった」
「指示はあったわけですね?」
「私も馬鹿じゃない。携帯の録音をとっている」
「私を次期社長に推薦できるか?」
 私は顧問の顔を見た。
「見返りは?」
「専務の位置を守る。だが役員はライブの力が強いが?」
「私の方で2人は抑えれる。だがライブを葬れるか?」
「専務が組んでくれたら可能です」
 その時神部からメールが入る。
『エレベターの前に畠山が潜んでいます』
 私はそっと専務の前にスマホを出す。
「畠山が会長に回ったな。よし分かったこれから何かあればチェリーから伝える」
 専務は顧問と握手を交わすとチェリーを呼んで腕を組んで出ていく。





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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/11/20(月) 06:58:10|
  2. ミステリー
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野望5

「どうするの?」
 水野が机を叩いて言う。
「このままではエヌは上場してしまうわよ」
 顧問はほとんど自分の息子の証券会社に行ったきりだ。ライブから来た役員は副社長の席に座っている。今社長の退任の話が進んでいる。
「ライブの会長を攻める手立てが見つからない。今なら専務を切り捨てて逃げてしまうな」
 顧問が大きな鞄を抱えて部屋に入って来る。かなり疲れ切った顔をしている。椅子に座ると大きなため息が漏れる。彼女はお茶を入れて戻ってくる。
「メインバンクも社長の退任を要求している」
「これは嫌だろうと思いますが専務と一度手を握るというのは?」
「どうしてだ?」
「実はライブの会長の攻撃を止める手が今はないのです。だが専務は唯一ライブの会長の弱点です」
 私は会長と専務の構図を描いてみせる。
「例のエヌの社長の写真を見せたのか?」
「ええ、かなり考えてます」
「でもエヌの社長は否定します」
 水野がまだ話ができていないという。
「今度エヌの社長との席をセットできるか?」
「それは頑張ります」
「かなり綱渡りだが、今の状態よりいいかもしれんな。一度私を入れて専務と会う段取りができませんか?」
「よし腹をくくる」













テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/11/19(日) 07:36:44|
  2. ミステリー
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野望4

 神部からエリの履歴調査報告が送られてきた。
『エリは元ライブの会長が通っていた銀座のクラブのホステスでした。それを強引に秘書として会社に迎えています。奥さんは元々ライブ設立のメンバーだったようです。それで仕方なく専務に押し付けた。専務は会長の経営塾のメンバーでわざと今の証券会社に送り込んだようです』
 これを読んで思い切って今の状況を打破するために『梨花』に来た。チェリーが専務を呼んで合わせてくれる手筈になっている。今の顧問の状況では最悪の結果になりそうだ。
「久しぶりです」
 私は席を立ってチェリーの合図で専務のボックスに行く。
「まだ生きていたのか?」
「ええあまりにもあのままでは情けないですからね」
「こそこそと動いているらしいな?」
「ライブの会長は手を汚さずあなた達だけが追いつめられます。あの秘書のように」
「あれは自殺だ」
「エリがホテルを訪ねてますね?」
 専務はどうも係わっていないようだ。チェリーが私のグラスに水割りを作る。
「エリは元ライブの会長の秘書で会長の女だった」
「調べたか?」
「これを見てください」
 私はスマホを開いて画像を見せる。エヌの社長の全裸の写真だ。
「これを撮ったのは専務ですね?」
「あの週刊誌の記事はお前が書いていたのか?」
「専務は捨てられるな。一度頭を冷やして考えるのだな。社長がライブから送られてきてこの写真が出ると解雇だな?」
 沈黙があって専務は立ち上がり出て行く。チェリーの目は笑っている。








テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/11/18(土) 10:50:50|
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野望3

「お昼ランチしない?」
 ヒロがテーブルにメモを残していった。
 わざわざ私の会社の近くまで来てランチをとる。チェリーは仕事着に着替えている。
「今日は早いな?」
「ショーに出ることになったので2時から練習なの。昨日専務が来て私を指名して酔っぱらったのよ」
「人気だな」
「どうしてか気に入られているの」
 専務はニューハーフを気に入っている。
「専務はママは自分の女ではないと言っていました」
「どうして?」
「専務の言うにはエリは元々ライブの秘書だったというの。それが奥さんに見つかって専務が秘書で引き取った。専務はエリには興味がないの。それで会長の目が煩わしくて雄介に譲ったって」
 そうかエリは会長の女だったわけだ。ということは私を罠にかけた指示は会長から出ていたようだ。
「どうも会長と専務はあまりいい関係ではなさそうよ」
「それは?」
「これは専務の愚痴でだけど、今度の証券会社の社長の交代に専務は社長を希望しているけど、ライブの会長はライブから社長を送ると言ってるそうよ」
「そんな話があるのか?」
 これは専務もねらい目だな。ヒロは時計を見て慌てて出ていく。
「課長可愛い人ですね?」
 後ろに水野が立って笑っている。
「いや一緒に住んでいる妹だよ」
「ずいぶん若いですね」





テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/11/15(水) 06:26:14|
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野望2

 ライブの会長はテレビ局と証券会社に役員の派遣を申し入れた。持ち株比率から可能なのだ。エヌの未公開株の割り当ても強引に行った。エヌの社長も体調を回復してテレビにも顔を出すようになった。そんな時にあのサングラスの記者の記事が出た。ライブ、証券会社から当然記事の取り消しと謝罪要求が出た。
「コーヒー入れましょうか?」
 水野が運んでくる。この部屋に移って、社内の雑音から逃げれたようだ。営業部は私たちを目の敵にしている。
「どうだ?」
「ずいぶん平静になったけどまだ写真の話はできてない」
「だろうな」
「あの記事のことを聞いていた。情報源を気にしていたわ」
「一度記者と合わせてみようか?」
「それなら乗るかも」
「それからテレビ局の株の攻防を調べてくれ」
「それは顧問から言われて整理しているわ。テレビ局の自社持ち株とライブ部ループの株がほぼ拮抗しています。だけどテレビ局は持ち合い株が多くさらに買い込みが必要になります」
「やはりどうしてもエヌの上場は見過ごせないな」
「でもエヌの社長には上場してもらいたいな」
「そうだな。何かいい手がないかな」
 ドアが開いて顧問がしかめっ面で入ってくる。
「ライブの役員を受け入れることになった。息子は役員会に辞表を出している。馬鹿な奴だ」
「どうされるのですか?」
「この仕事を片付けるまでは動けん」
「早い目に畠山を攻撃しますよ」









テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/11/14(火) 05:17:55|
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yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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