迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


迷い道6

「アナル痛くないか?」
「ううん、気持ちがいい」
「ヒロのも大きい」
 アゲがヒロの体を抱きしめる。3人が重なった姿は滑稽だろう。私がヒロの中に出して、ヒロがアゲの中に出す。久しぶりのセックスだ。体を話すとヒロが2人にグラスを渡す。
「まだママは目が覚めない?」
「ああ。だが心臓は生きているよ」
「エリとはどんな話をした?」
「ママはずっと抱かれていてほとんど話はしていない。独り言ばかり言っていた」
「独り言?」
「兄に騙されたと言っていた」
 吉井組長の話ではライブの会長の話を持ってきたのはエリだったと言うことだが。
「そうでもないみたい。吉井組長から頼まれたそうよ。その時組は資金不足で彼が組長から資金調達を頼まれていた」
 そうか。西崎にエリにレイプさせたのも兄だった。エリが兄とセックスを繰り返していたのも兄からだ。だが兄は途中でエリを怖がって離れようとした。だがこれについてはエリが今の状態なら闇の中だ。
「それにエリに毒を渡したのも兄だったと言うの」
「と言うことはライブの会長と吉井組長は出来レースか?」
「畠山を殺したのも同じ毒を渡されたと」
 これも吉井組長の説明とは異なる。
「アゲ、エリのパソコンはまだ入れないのか?」
「もうすぐのところに来ているよ」












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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/02/28(火) 07:05:22|
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迷い道5

「久しぶりだな」
 『梨花』に入るとネット証券の社長になった専務が手を上げる。相変わらずこの店の常連なのだ。チェリーの姿はない。
「彼女はボックス席を回っている。ママだからな」
「エリとはどういう約束があったのですか?」
「それより容態は?」
「まだ目を覚ましていません」
「エリはもう何もかもに失望したのだろう。君は私を彼らと何か隠し事をしているとみているようだが、私はただ彼らに係わりたくないだけなのだ。エリが秘書の毒殺を依頼されたのも知っている。畠山がエリの現場を調べるように会長から依頼されたのも知っている。でも知っているだけだ。会長は怖い男だ。それにあの頃はエリも狂っていた。私は会長の情報を取って身を守っていたのだ」
「会長の後ろ盾は?」
「もう誰も彼から去っただろう。だがどこまで明らかにするかだな」
「それは私に言っているのですか?」
「君しかいないだろう」
「来てくれたの?」
 チェリーがようやくボックスに戻ってきた。彼女が男だと知っているのは私とアゲそれに死んだ西崎と手下の2人、それにエリだけだ。ひょっとして岬も知っているかもしれない。
「今日は何時に終わる?」
「10時にアゲが来る。一緒に食事しない?」
「久しぶりに3人でいいかもな」
「アゲ、ずいぶん人恐怖症が克服できて来たようよ」






テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/02/27(月) 06:45:47|
  2. ミステリー
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迷い道4

 今日は久しぶりに大手の証券会社の社長に呼び出された。いつもの円形テーブルにすでに検察の男が座っている。
「ライブの会長は殺人示唆で追加起訴をしたが、どうも納得いかないところがある」
 資料を手に私を睨む。
「畠山が秘書の毒殺の犯人とは思えないのだがね?」
「だがあれは私が持っていた証拠です。この証拠は畠山のパソコンで見つけたものです」
「あのエリはどういう役割をしていた?」
「分かりません」
「あなたは彼女に嵌められたと言うことだったが?」
「そうです」
 それを聞いた社長は口を挟んだ。
「ライブの会長を起訴できたのだからそれで良しではないのか?」
「まあそうですが」
 1時間ほど同じ質問が繰り返されて外に出た。
「どこまで行く送ろう」
 ビルを出たところに後ろの席から吉井組長が顔を出した。白いベンツだ。
「エリは助けてくれ。西崎の手下は2人タイに送った」
「エリをこれからどうする?」
「もう兄妹ではない。どこで下す?」
「『梨花』までやってください。ただヒロが面倒みると言っています」







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  1. 2017/02/26(日) 07:09:42|
  2. ミステリー
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迷い道3

 エリはまだ目を覚まさない。西崎の司法解剖は終わった。毒による死だが自殺なのか他殺なのかは明言されていない。岬から送られてきた所見に目を通す。
『送られてきたUSBを見たけど、どうも大きく内容が変わったと私は思うけどどうなの?警察ではライブの会長に対するものでは不満がないのでそれで進めているけど、エリの取り扱いが替わった』
 岬からのメールは自分の気持ちは抑えているようだ。それは送ってきたアゲも思っていることだろう。秘書毒殺に畠山がかかわっている映像を克明に載せた。それにライブ会長からの畠山に対する毒殺の確認指示のメールを初めて追加した。幸いにここにエリの名前がなく、畠山に毒殺を指示したように読める。
 会社を出て病院による。病室の入口には警官が立っている。だが顔ハスで入る。ヒロと話し合ってエリを個室に移した。お金は『梨花』のお金で払うことにした。ヒロは今日から『梨花』に出ている。何となく歩けるようになった。『梨花』の運営は吉井組長がしているが私がヒロが社長になる了解を取った。
 エリは本当に死ぬ気だったのか?声をかけても仮面のような白い顔は凍ったようだ。背中の後ろで音がした。花瓶に花を挿してヒロが入ってきた。
「店から来たのか?」
「ええ」
「社長就任は問題なかったか?」
「いろいろあるようだけど、エリさんから受けたので頑張る。でも検察の方はどうなるの?」
「何かアゲが言っていたか?」
「どうするのかなって独り言を言っていた」
 そうだな。心が揺らいでいる。エリはなぜ毒を飲んだのか。






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  1. 2017/02/25(土) 07:18:37|
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迷い道2

 ヒロは退院をして私のマンションに戻ってきた。アゲがヒロを裸にして体を綺麗に拭いてやった。アナルは拡がってしまっていて深い傷ができていて浣腸で処理する。エリが来るまでに3人の男に毎日嵌められていたと言う。アナルに2本入れられたと言う。しばらくアゲが面倒を見ることになった。
「妹さんが帰って来られた?」
「ああ。上場の準備は?」
「ライブの会長の起訴で色々な記事が出て今一つですがね」
「社長は?」
「今回はゆっくり時間をかけた方がいいと」
「ほとぼりがさめるのを待つか」
 ライブの起業塾出身上場会社は6社のうち倒産が2社、吸収が3社と不調だ。
『あのUSBウイルスで大変なの!何とかならない?』
 岬からだ。そうだアゲがウイルスを入れていた。
『中身をすべて見た?』
『大雑把に見て詳しくは見ていない』
『あれを作った元版を送るがすべて同じとは限らないが?』
 それだけ送るとアゲにメールを送る。
『アゲ、ヒロはどうだ?』
『食欲は戻っている。アナルに薬を塗ってあげたらぴんと立ったから』
『まだしたらダメだぞ。それよりUSBのウイルスで大変なんだ。これから言うような内容でもう一度作ってくれないか?』
『いいよ』
『作ったらこちらに流してくれ』











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  1. 2017/02/24(金) 06:46:48|
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迷い道1

「あの女の子は毒は入っていませんでした。睡眠薬ですね。こちらの二人のグラスには毒が入っていました。男性の方はすでに息絶えていますが、女性の方はまだ脈はありますが今後危ないです」
と説明して医者が病室を出ていく。部屋には岬と私がいる。すでに西崎は解剖に運ばれている。入口には警察官が立っている。エリは指名手配犯だ。
 岬がポケットから白い封筒を出す。
「エリの遺書だよ」
 私に渡すと部屋を出ていく。私は窓際のヒロのベットの横に座る。
『チェリーを助けるのは約束だわね。でも西崎も私ももう生きていく希望がない。彼も可哀想な男なの。彼は私を愛していたけど、私は兄しか愛していなかった。でも一度あなたを愛した。なのに私はあなたを罠にかけた。それで自分からあなたを失った。次は生まれてきた子供を愛したけど、それも失った。兄はもう私から逃げ出してしまっている。ヒロはいい女だったわ。だがら守ってあげる。さよなら』
 短い手紙だった。
『エリが会っていた弁護士に会ってきましたよ』
 救急車に運ばれてから神部は姿を姿を消していた。
『エリは『梨花』をチェリーに譲っていましたよ。チェリーは『梨花』の社長です』
 どうしてだ?
 ヒロの額をなぜてやる。ヒロもまだ起きてこないのだな。






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  1. 2017/02/23(木) 07:54:01|
  2. ミステリー
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暴露10

「やはり今夜も0時にしよう」
 岬が顔を見せた。完全今日は刑事の顔だ。私の作った間取り図を3人で囲んで段取りを話し合う。ヒロがどの部屋にいるかで決まる。エリとヒロなら私と神部はその部屋に入り救出をする。岬は西崎の部屋に入り取り押さえる。2人のやくざはいないとの判断だ。
 0時になり鉄板をずらせる。岬が進んで押し開ける。階段を下りていくと部屋のある廊下に導く。奥から2番目のドアに耳を当てる。ここにはいないのか?私が首を振ると岬たちが残りのドアに耳を当てる。だが二人とも首を振る。
「寝たのかな?」
 神部が小さな声で囁く。
「いや、やはり最初の部屋に鼾が聞こえるわ」
 岬が頷く。神部がゆっくりと合鍵を入れる。岬がいつの間にか拳銃を構えている。
「西崎だけだぞ」
「分かっている」
 ゆっくりとドアが開かれる。開いたドアに眠り込んでいる西崎とエリが見える。床にワイングラスが転がっている。嫌な予感が走った。秘書の毒殺もワインだった。岬も同じことを考えたようだ。私は視界にないヒロの姿を探した。ヒロはやはりグラスを持ったまま壁にもたれて寝ている。
「救急車を呼んで!毒を飲んでいる」
岬がエリをヒロを私が水を飲ませる。
 なぜ死ぬのか?すべて闇に葬るのか?





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  1. 2017/02/22(水) 06:53:59|
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暴露9

 なぜエリが不利になる証拠を警察に送ったのか。
『エリに指名手配が出たわ』
 ワゴンに入る前に岬からメールが入った。
「エリが朝から外に出ている。部下につけさせている。それとやくざの2人はどうもいないようです。買い物は西崎がしていて2人が出てきたのを見たことがないですよ」
 黒服に着替えていたらビニール袋を持ったエリが帰ってきた。その後に遅れて女性の部下がワゴンに入ってくる。
「どこに行った?」
「はい。弁護士に会っていた。内容は分からないけどずいぶん長い時間だったわ。それと弁護士の事務所を撮っておきました」
「ここは『梨花』の顧問弁護士事務所です」
 なぜ今顧問弁護士に会う必要があるのだろうか。
「今夜は私も行きますよ」
「どうして?」
「探偵の勘ですよ」
「なら岬にも来てもらおう」
「あの潜入刑事ですか?」
 メールが返ってきて10時に来ると言うことだ。
「エリの指名手配が出たのだ」
「証拠がないので保釈と?」
「どうも私が作ったUSBをエリが警察に送った」
「どうして?」








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  1. 2017/02/21(火) 06:49:03|
  2. ミステリー
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暴露8

 夜が明ける前にワゴンに戻った。後ろの席に神部が寝袋にくるまって寝ている。
「彼女は?」
「通いですよ。残業手当は払えないですからね。で?」
「ヒロもエリもいた」
 抱き合っていたとは言えなかった。
「どうします?」
「今日は会社に出かけてまた夜ここに来る」
 着替えを済ませると会社に向かう。
「顔色悪いよ?」
 水野に言われて机の新聞を広げる。
 保釈取り消し!と大きな見出しが躍っている。ライブの会長は仲間を使って身の潔白を日々載せている。これは警察への挑戦とマスコミが煽っている。
『岬、何かあったのか?』
『凄い投書があったの。エリが秘書にホテルに入った映像と、畠山がライブの会長に指示を受けた証拠がUSBに入っている。これあなたのね?』
『いや違う。送ったのはエリだ』
『なぜ?』
「妹さん?」
 水野が覗き込んでいる。
「女記者のところによって直帰するから」









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  1. 2017/02/20(月) 06:51:35|
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暴露7

 0時を回った。私は黒い服に着替えて装備を入れた袋を抱えて文化住宅に入る。懐中電灯の光が真っ暗な建物の中を照らす。鉄板に手をかける。重いのではなく動かない。ナイフを差し込んでみる。やはり仕掛けがあった。それからは簡単に動いた。階段が続く。
 降りておくと扉があるが鍵はかかっていない。薄暗い安全灯が付いている。案外広いスタジオだ。ステージの周りに椅子が円形に50席ほど並んでいる。ステージの上には大きなガラスの箱にシートが被されている。ステージの裏に小部屋がある。その横に通路があってドアが並んでいる。4つもドアがある。
 どのドアも鍵が掛かっている。3つは閉まっていたが一番奥のドアが開いている。部屋はシングルのベットが2つ並んでいる。ここにスタッフや女優を泊めるのだろうか。中にはシャワー室もある。
 壁の向こうから人の呻き声がする。壁に耳を付ける。
 これは呻き声じゃなくて喘ぎ声だ。よく聞きなれたヒロの声だ。抱いているのは3人の男の誰かか。
「気持ちいい?」
 エリの声だ。エリがここにいる。
「彼のはどうだった?」
「凄きいい!」
「彼に少し前にアナルを初めてしてもらったけど、チェリーが教えたのね?」
「はい」
「好き?」
「はい。でも昔は相手にされなかったのです。フェラだけの仲間たちの道具だったのです。彼もその一人」
「悲しいね」
「でも今は女らしくなって愛してくれている」






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  1. 2017/02/20(月) 06:51:05|
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暴露6

『あの文化住宅がスタジオの入口だ。西崎が今出ていった。慎重に張ってくれ』
 神部にメールを送る。木材置き場を回る。だがどこにも入り口がある形跡がない。仕方がなく材木の後ろの窪みに隠れる。15分が経って西崎がビニール袋を抱えて戻ってくる。
『今西崎が戻った』
 神部からだ。西崎の背中が見えしばらくして姿が消えた。私はゆっくりその場所まで近づく。僅かに地面が擦られた跡がある。この鉄板だ。この下にスタジオがある。
『スタジオの入口を見つけた。一度文化住宅に戻る』
 道路に出るとワゴンがゆっくり動いてきた。運転席に神部が載っている。窓ガラスにフイルムが撒いてあって中は見えない。ワゴンの中にはビデオを構えた女性が乗っている。
「このスタジオは最近は使われてないようです。文化住宅の住人に聞いてみたのですが、古い住人はスタジオがあるのを知っています。でもそれで半殺しに会った住人が出て今は誰も知らないふりをしています」
「もう一度夜に潜ってみようかと思っている」
「私も行きましょうか?」
「いや、まず確認だけにしたい。知られたら今度は探すのは難しい。それに西崎はイライラしている。なぜ交換条件を出してこないのか不思議なんだ」
「そうですね。エリとの話が纏まらないのでは?」
 どういう話をしているのだろうか。
「夜の捜査の一式を用意しますから食事でもしてきてください」
「小型のビデオも欲しい」
「用意します。確認したら通報しますか?」
「まだ待ってほしい」






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  1. 2017/02/18(土) 06:24:41|
  2. ミステリー
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暴露5

『週刊誌を見た。殺すぞ!』
 西崎が再びメールを入れ来た。さすがにあの週刊誌の記事は効いたようだ。
『アゲまた入ってきた調べてくれ』
「室長この稟議決裁が取れたので作業に入りますよ」
 水野が稟議書を机に載せる。
「妹さんは?」
「まだどこかわからない。帰ってこないのかもな」
「兄さんも独り立ちの時よ」
『やはり前と同じ位置よ。でもこれは固定電話じゃない。やはり横浜』
 やはり移動していない。そう思うともう飛び出していた。あの文化住宅でタクシーを降りると、一人廊下を抜けて扉の前に立つ。ドアの向こうに小さな路地があってすぐ前にトタンの扉がある。だがその時に男の声がして慌てて廊下に戻って2階に上がる。
 西崎だ。やはり彼はここにいた。彼は廊下を抜けると建物の外に出る。私は入れ替わるように向こう側のトタンの扉を開ける。広い空地があって倉庫の建物がある。倉庫の中には古い材木が置かれている。ヒロはここにいる。倉庫の中に入っていく。中は思ったより広い。建物の中は古い木材で使われている様子がない。突き当りには大きな引き戸があるが鍵が掛かったままで錆びたままだ。
 吉井組長はスタジオについては知らないのかもしれない。
『スタジオの入口は?』
 岬にメールを送る。
『やっぱり行ったのね?スタジオには組事務所からは入れないのよ。目隠しされて車で案内されるの。目隠しを取ったらそこがスタジオだった』
『警察を送ろうか?』
『いや、まだヒロを見たわけではないから』







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  1. 2017/02/17(金) 06:57:46|
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暴露4

 会社が引けて見張りを続けている神部のラブホテルの部屋に着く。ここには神部の他に2名いる。
「今日で3日ですが吉井組事務所から不審な人物や弁当などが運び込まれていることはありません。全部の周りの建物はこういうふうになっています」
 地図にチェックが入れられている。
「組長は?」
「先ほどクラブに。クラブにも先ほど私が確認してきましたよ。一人でカウンターで飲んでいました」
「組長は関係していないのか?」
「今のところ」
「エリは信用できるのですか?」
「それが自信がない」
「西崎はエリを守ろうとしているのですね?」
「だからヒロを誘拐した」
「だがエリはヒロが誘拐されたのは知らなかった」
「西崎はエリを愛しているのですね?」
「だがエリはそうではない。西崎は兄の吉井組長に誘われてエリを強姦している」
「難しい関係ですね?」
「このややこしい関係でエリは生きてきた。そして今は希望を失ったと言っていた」 
 そのエリがどんな道を選択するのか。
「私も少し歩いて回るよ」
と言ってもう陽の落ちた外に出る。確かにこの中に建物があるとは思えない。2周目になって古い文化住宅の中に入った。コンクリートの突当りにドアがある。
「ここは?」
 出てきた女の子に尋ねる。
「ここは開けてはいけないと大家に言われている」










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  1. 2017/02/16(木) 06:41:25|
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暴露3

 5か所調べてもらったがそれらしい場所はなかった。今日は朝から水野と上場予定の会社の社長に会いにく。だがやはりあまり気合が入らない。通り相場の話を聞いて後は水野に任せて会社を出た。
『あなた吉井組の関連施設を調べてるのね?吉井組長から聞いたわ。チェリーがまだ見つからないのね』
 潜入捜査官の岬からだ。
『もう潜入はやめたと聞いたが?』
『ええ、今は憂鬱な警視庁の部屋の中。久しぶりに抱いてもらいたいわ。ライブ事件は暗礁に乗り上げたわ。彼は常に自分で手を染めない。あなた何か情報を持ってるのね?でも脅されていて』
『ああ、でも脅されてばかりではな』
『一つ気になる場所があるの。恐らく組長は内緒にしているはずよ。実は裏ビデオのスタジオがあるの』
『どこ?』
『クラブの路地裏に抜け道がない建物があるの。これは組長が買い取った倉庫で将来クラブを拡げようとおいている。だけど地下にスタジオを作っている。ここで際どいビデオを作っている。常連も時々案内される。私も行ったことがある。ここでは監禁状態で女優を』
『捕まえないのか?』
『私の山じゃないから。ここには宿泊できる施設のある』
『組長は?』
『ここは元々西崎がやっていたのよ』
 さっそく神部と合流して調査にかかる。
「これは厄介ですよ。建物には組事務所を抜けないとは入れないのです。しばらくホテルに泊まり込んで張り込みしますよ。組長に聞くのは今回は控えた方がいいかと」










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  1. 2017/02/15(水) 06:48:53|
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暴露2

 記事が出た。
「今度上場させる先のリストです」
 水野がコーヒーを入れてファイルを机に置く。
「この会社はライブの起業家塾にいた会社だな?」
「ええ、最近ライブの新社長が新しい起業家塾を作ったのです。そこに移った会社で初の上場チャレンジですよ。なかなかと思うけど?」
「グループ間の売買は?」
「ありません」
「よし稟議にかかろう。しばらく仕事をしていなかったから、ちょっと頑張らなくちゃな」
『引っかかったわよ』
 女記者からだ。
『この記事の情報元を聞いてきた奴がいる。検察からもかかってきたけどこいつは怪しい。そちらに転送したから調べてみて』
 私はそのままアゲに送る。最近はアゲは同じマンションに移ってきている。初めはヒロのことがあって別々に寝ていたが、いつからか同じベットの中にいる。
『これは固定電話だよ。横浜でとしかわからないけど、横浜ならあのクラブと吉井組長の事務所が気になるよ』
 すぐに吉井組長のスマホに入れる。
『エリから連絡がありませんか?』
『全くない。西崎もそうだ』
『西崎が吉井組の関連施設で立ち回るところはありませんか?もしよかったらそこの固定電話を教えてもらえませんか?』
『警察に知らせたら責任を取ってもらうが?』
 それから5か所の電話番号を知らせてきた。それをアゲに送って神部に回ってもらうことにした。








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  1. 2017/02/14(火) 06:47:42|
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暴露1

 エリが消えた。エリのスマホはマンションに残されたままだ。『梨花』にはしばらく旅行に行くと言い残している。私はヒロのことが心配だが会社に出た。アゲは西崎の新しい携帯を追いかけたが横浜で消えてしまっている。神部は吉井組事務所と西崎のマンションを張っているが、どんな情報もまだない。
 今日は久しぶりに女記者のところに来ている。彼女もライブ事件では業界に顔になって今は助手の女の子を使っている。
「少し停滞だな?」
 最近の彼女の記事を見てため息をつく。
「株価操作の指示くらいしか元ライブ会長を攻めれていないわ。検察も次の手がないわ」
と言われても手持ちの情報を出すと、明らかにヒロは殺されてしまう。手足が縛られた状態だ。とはいえこのままではいつまでもヒロは助け出せない。エリがヒロを助けると言っているが現実のところ西崎を動かしているのがエリかもしれない。
「秘書の毒殺については廊下を歩くエリの後ろ姿の写真をもう一度載せてくれ。この写真じゃなくてこれがいい」
「どうしてこれなの?」
「左手の指輪だ」
 この監視カメラは検察も引き上げているが、エリはカメラを意識して顔が見えないように歩いている。恐らく髪型も変えていたと思う。エリと特定できるのはこのダイヤモンドの指輪だけだ。『梨花』のものならすぐにエリと分かる。もちろん西崎もだ。
「それと畠山の前後の監視カメラの映像も、これとこれを載せてくれ」
 これは初めて載せるものだ。検察は秘書に毒殺に畠山が関与しているとは思っていない。
「これについては毒殺後畠山が作業員に扮して部屋に入った写真に、ホテルの部屋の中に畠山が監視カメラをセットしていたと説明してくれ。畠山にこの作業を指示したのはライブの会長だと言いきってくれ」
「そこまで書いていいの?」
「そこがぎりぎりだ。西崎にもエリにも相当なプレッシャーになるはずだ。私がその映像を持っていると思うはずだ」
「すぐに編集にかかるわ」










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  1. 2017/02/13(月) 06:58:31|
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急転11

 夜エリとタクシーでマンションに着いた。
『エリのマンションに泊まるの?気を付けて。彼女が先ほどメールを打っているけど、これって西崎の可能性大ありよ』
 やはりエリは西崎の居場所を知っている。匿っているのもエリかもしれない。部屋に入るとそのままベットルームに入る。それから冷蔵庫からチーズとワインを出してくる。ワインは秘書に毒を持った飲み物だ。私はポケットからアゲが作ったUSBを出す。
「私にはもう用がないわ」
 もう裸になっている。
「飲まないの?」
「毒は入っていないわ。私の飲んだワインを続けて飲んだら?」
 半分ほど飲んでグラスを渡す。エリは新しいグラスにワインを注ぐ。ワインを口に含んで私のものを咥えた。殺す気はなさそうだ。そう思うと急に口の中で反り返ってくる。元々エリはファエラは得意だ。喉の奥まで入れる。
「私のアナルを舐めてくれる?初めてだから優しくね」
 いつの間にはヒロに鍛えられた亀頭をアナルに押し付ける。
「あ!」
「痛かった?」
「もう入っているの?」
「ああ、しっかり奥まで入っている」
「ヒロと比べてどう?」
「少し窮屈だけど気持ちはいい」
「あなたと一緒になるべきだったのね」
 その言葉を何度も独り言のように言いながら白目をむいている。







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  1. 2017/02/12(日) 07:13:10|
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急転10

 『梨花』に着いた頃はまだ店は閉まっていた。社員専用の扉を抜けるとショーの練習の声が聞こえる。そのままエレベターで社長室に向かう。
「やはりきたね?」
 エリが煙草をゆっくりとふかしている。ソファのテーブルにコヒーカップが2つ並んでいる。
「西崎が来ていたのか?」
「そう」
「彼を指示しているのは君か?」
「彼の独断よ」
「チェリーを助けてくれ」
「彼女が男だったとは思わなかったわ。でも好きな子だった。ヒロっていうのね?あなたが男と抱き合えるなんて不思議だわ」
「膣よりアナルが気持ちがいい」
「私の頼み聞いてくれる?なら助けてあげる。西崎はもう私を守る必要がないことを忘れている」
 彼女はどうしようとしているのか?
「今晩マンションに泊まりに来て。一緒に店を出よう」
 私を殺す気か?
「ヒロを助けてくれるのか?」
「ええ、それに今から慰み者にしないと約束させている」
 そう言ったエリの表情が虚ろだ。
「どこにいるか知っている?」
「ええ」







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  1. 2017/02/11(土) 07:24:23|
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急転9

 今日から久しぶりに会社に出ている。
「元気がないね?コーヒーを入れるけど?」
 水野が心配して私の顔を見る。今回の休暇の内容は内緒にしている。
「妹が家出をしてしまったんだ」
「心配ね?」
「ライブの株価は?」
「元の高値に着実に戻っています。元会長の影響はほとんどない。合併がうまくいっているのもありますね」
『用意できたか?』
 西崎のメールだ。
『USBに入れた。いつでも渡せるようにしている。チェリーは元気か?』
『毎日3人で可愛がってやっている。まずUSBを送るのだ』
『物々交換だ』
『そうはいかないさ。ダメなら殺すぞ。よく考えるのだ』
とメールが途絶えた。慌ててアゲに位置確認をする。もちろんこの携帯もすぐに捨てられるだろう。
「妹さん?」
「いや女友達だ」
 水野が覗きこもうとするのを遮る。
「私はこれからライブの社長に会いに行きますが?」
「妹のことで出かけなきゃいけない」
 そんな気がしている。水野はファイルを鞄に入れて出ていく。
『このメール『梨花』の近くから発信されているよ。それでエリのスマホも調べてみた。同じ位置に重なっている。でも西崎のは消えてしまったけど』
 西崎はエリに会っていたのだろうか?やはりこの監禁はエリの指示なのか?私はコートを着ると会社を出た。まだ『梨花』の開いている時間ではない。









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  1. 2017/02/10(金) 06:46:56|
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急転8

『ご苦労なことだったな。男3人に毎日チェリーは犯されてきたが、殺しはしない。だがエリの殺しの証拠を用意しておくのだ。次連絡した時に送れなかったら今度は殺す』
 西崎からのメールが入ってきた。これは本気だ。
『どうも知られてしまったようよ。高速を降りたところで消えちゃった』
『今西崎から連絡が入った。きっとどこかで捨てたのだろう。位置情報はばれている。それよりアゲ力を貸してくれ』
『力も体も心もすべて使ってよ』
『今夜マンションに来てくれ。手伝ってほしいことがある』
 私は神部にマンションまで送ってもらう。
「西崎とエリの両方を見張ってもらえるか?」
「分かりました」
 それだけ言うと部屋に入ってパソコンを開く。証拠資料を調べてコピーをしていく。西崎は証拠資料を出してもそうはチェリーを釈放しないだろう。ずっとヒロを人質にするはずだ。そのためにはどうしたらよいのか。
「何したらいい?」
 いつの間にかアゲが来ている。
「このUSBに何か細工ができないか?」
「そうね。でもこれを渡したらヒロが助かるのじゃないの?」
「そうはいくまい」
「殺しはしないがずっと釈放しないだろう」
「ずっと性の奴隷のまま?」
「ああ、だから考える」
 そのままアゲはパソコンをいじっている。
「USBに位置情報を発信させるよ。それからとっておきのアゲウイルスをうつしておくの」
「ウイルス?」
「10日ですべての情報を食べつくすのよ」










テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/02/09(木) 06:57:47|
  2. ミステリー
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急転7

 急に前が見えないほどの雪になった。一つ目の分かれ道に来た。神部が車を降りて雪道を分かれ道の方に歩いていく。
『今西崎から連絡があったわ。チェリーを釈放するように言ったわ。でも聞かない。新しいアドレスなのでそちらに送るわ』
 エリからだ。即座にアゲに返送する。
「ここは10キロ先で木が倒れて通行止めになっているようです。引き返してきた車に聞いたが相当前から通行止めになっているそうです。この道の選択は捨てるしかないですね」
 雪が酷くなった。もうゆっくり進むしかない。通る車も急に減ってきた。
『見つかった!今いる道の先の道を曲がって走っている。75号線に入った。この道を行くと小田原に出る』
 アゲからメールだ。
「この時間からだと小田原に出るのは無理だ。西崎が走り抜けるかもしれないが、時速30キロが精一杯ですよ」
 ここで部下と神部が運転を変わる。そこから走ること1時間半車がスリップして道路脇に乗り上げる。
『小田原に抜けたよ』
 アゲからメールが入る。
「戻って東名に乗りましょう。小田原に出るにしても東京に戻るにしても」
「どちらにしても追い付ける可能性ありですね」
 バックをすると元の道を戻っていく。
『東京に向かって走り出した』
 東京ではどこに行くのか?あくまでも私と交渉をする気だ。だが警察もライブの会長を追い込んでいる。そこにはエリと言う山が立ちふさがっている。エリは実行犯だ。
『ライブの会長はどこまで?』
 岬にメールを入れる。
『がんと否認しているわ』




テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/02/08(水) 06:59:42|
  2. ミステリー
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急転6

 岬に西崎が芦ノ湖に向かっていると言うメールを流した。警察力を頼るしかない。道路は薄ら雪が積もっている。朽谷に芦ノ湖にグループの社宅があるかと尋ねたがないと言う返事だ。なぜ熱海に来ていることを知られたのか。運転は神部から部下に変わった。
「今の時間なら芦ノ湖の近くに来ています。それ以上進むのは時間的にも無理で雪も酷いので無理かと思います」
「位置情報を盗られているのを感ずいたのか?」
「急に動き出したのはそうかもしれません」
 それでアゲにメールを送る。
『車は動いているか?』
『はい。今芦ノ湖で止まっているよ』
『芦ノ湖で止まっていると言う情報が入った。ひょっとしたら携帯だけが走っていたいう可能性もある調べてくれ』
『伝えるわ』
 岬は今日は警視庁に出ているようだ。
「万が一を考えてここでガソリンを入れときます。もしさらに走らなければならない可能性もあります」
 部下に前のガソリンスタンドに車を入れさせる。部下は近くのコンビニに走る。
「ずっとすれ違う車を見ていましたが西崎の乗っている車とはすれ違っていません。と言うことはこれからの曲り道を曲がったと言うことになります」
 神部は地図を広げて曲り道をさす。
「今のコンビニにこの車が止まって買い物をしていたようです」
「ここまでは来ていた」
『見つけたよ。西崎の携帯。やはりトラックの荷台に投げ込んであったわ。途中で曲がったか引き返したかよ』
 岬からのメールだ。
「やはり想像通りですね?だが地図で見ると曲り道は2か所あります。どちらに絞るか問題ですね」





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  1. 2017/02/07(火) 07:11:43|
  2. ミステリー
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急転5

 夜半まで熱海のホテルを回ったが写真の車は発見されなかった。結局途中のホテルに宿泊して夜を明かした。翌朝続いてホテルを回っていたら巡査とぶつかった。警察も動き出している。
『まさかチェリーが男だったとはな!』
 ヒロが全裸で縛られていて、男の手がヒロのものを握って写真が添付されている。
『だが気に入った。これ以上この事件を暴くな』
 西崎だ。慌ててアゲにこのメールを転送する。
『調べてくれこれは西崎だ』
「西崎からメールが入ったのですね?」
 さすがにヒロの写真を見せられず頷いた。
「あの週刊誌を見たのだ。だが熱海に来ているとは思っていない」
「もう60軒は回りました。ホテルではない可能性もありますね」
「社宅か別荘か?」
 私は思い出して朽谷にメールを流す。
『ライブグループの役員専用の別荘が熱海にある。電話番号を送る』
 神部がそれをナビに入れる。
「ここから遠くない海岸にあります」
 車を別荘に着けるとガレージを覗いた。閉まったままだ。出た後か!?神部が玄関の鍵を合鍵でようやく開ける。玄関には靴はない。部屋に上がるとビニール袋にカップヌードルや缶ビールの空き缶が掘り込まれている。縛られていた縄が残っている。間違いなくここにいた。
『西崎の位置が見つかったよ。別荘から山側に動いている。芦ノ湖に向かっているよ』
 アゲからのメールだ。
「これだったら追い付くのに3時間かかりますね」
 部下がもう表に車を回している。





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  1. 2017/02/06(月) 05:43:35|
  2. ミステリー
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急転4

 休暇届を出した。マンションにはアゲが泊まりに来てきてくれた。朝、神部が車に乗ってきた。エリが書き出した15か所の西崎が立ち寄るリストを回ることにした。ちょうど7軒目で吉井組長からスマホにかかってきた。
『エリとも話したが彼女も知らないようだ。こちらで組員を出してあの2人の立ち回るところを回らせたが、2人の子分を連れてきて問いただしたが、車を貸したと言うのだ。ナンバーの写った写真添付した。話では熱海の地図を見ていたようだ』 
「熱海か?」
 もうハンドルを回している。私は熱海と言う話と写真を添付して岬に送る。
『ライブの会長はどうなっている?』
 女記者にかける。
『秘書の殺人教唆も起訴されることになった』
『エリの名は出てきているか?』
『いえ、こちらの情報では会長と畠山のパイプだけよ。だがそれなら畠山には当日アリバイがあるのよ』
 まだ会長はエリの名前を出していない。エリの名が出なければ殺人にはならない。実行犯がいないわけだ。
『次の記事で秘書殺人の実行犯がいると書いてくれないか?殺された畠山がその証拠のUSBを持っていたとまで書いてくれ』
『本当にあるの?』
 その脅しが今は必要なんだ。
「熱海に入った」
「どこから回るか?」
「真ん中の大きなホテルではなくて辺鄙なホテルを選んでると思う」
 恐らく男3人が大きな鞄を抱えている。私を脅すためでヒロを殺すことはないと信じている。




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  1. 2017/02/05(日) 06:59:25|
  2. ミステリー
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急転3

 エリにも連絡が付かない。やはりこれはエリの指示なのだろうか。7時に『梨花』に入ったがエリは顔を出さない。
『西崎のマンションは空だわ。今横浜のクラブに来たけど、ここにも姿がない。刑事をマンションには貼り付けた』
 それを見て吉井組長にスマホを入れた。
『まさか組長が絡んでいるわけでは?』
『どうした?』
『チェリーが西崎にさらわれた!』
 吉井組長は全く知らないようだ。
『チェリーは?』
『妹だ。あのやくざが2人協力している』
『よしその2人を探してみる』
 カウンターに2時間余り座っている。ようやくエリが姿を現して私を見てカウンターに来る。
「チェリーを浚ったのか?」
「誰が?」
「西崎だ」
「チェリーは?」
「妹だ」
 スマホを出して西崎を呼び出している。
「繋がらない」
「ポーズじゃないよな?」
「知らない」
「横浜でのあては?」
「あのクラブは?」
「吉井組長も知らないと言っていた」
「タイに連れて行った2人は?」
「あれは吉井組じゃないわ。西崎の手下よ。でもどこにいるか知らない」





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  1. 2017/02/04(土) 05:45:57|
  2. 未分類
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急転2

『神部社長も含めて3人が横浜に入った。何かあれば連絡が行くよ』
 アゲからメールが入る。まず横浜のクラブにタクシーで着く。クラブはまだ閉まったままだ。岬にメールを送る。
『昨夜11時頃に西崎がチェリーを同伴してきていたわ。店が閉まって一緒に出かけた。戻ってこないの?西崎に電話を入れてみるわ』
 私は『梨花』の周辺のラブホテルの8軒目にチェリーの顔を見たと言うフロントに会った。
「確かにこの女性が入られましたが、出られた形跡はないですね」
 話していると神部が後ろに立っている。神部はフロントの耳元で何やら囁き金を出した。ついてきた部下に防犯カメラを頼み私とヒロが入った部屋を案内させた。
「確かに泊まった跡がありますね?バスタオルも2人分使っています」
『30分前に2人の位置情報が消えたよ』
 アゲのメールは30分前についている。
「こちらに来てください」
 神部の部下が呼びに来る。
「ここを見てください。1時間前に廊下を男が大きなリュックを背負って歩いています。それが玄関に出ると外から2人の男が入ってきてそのリュックを担いでいます」
「初めから西崎はチェリーをとらまえる気だったと言うことだな」
 これからどうすればいい?どうも西崎にチェリーの正体を見破られたのだ。あの夜つけられた私の責任だ。
『岬、西崎の指名手配をしてくれ』
『いいわ。西崎のマンションに行くわ』
 エリと話すしかない。エリが指示したのだ。








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  1. 2017/02/03(金) 06:48:14|
  2. ミステリー
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急転1

「女記者に原稿を届けてくれ」
 水野に原稿を渡してコートを着る。
「どこかに?」
「久しぶりに妹に会ってこようかと」
「怪しい!」
 そう言われてビルを出てタクシーを乗った。朝からヒロにメールを送っているが返事がない。『梨花』に出る前に昼食を一緒に取ろう。ヒロの泊まっているビジネスホテルは知っている。ホテルは『梨花』の裏通りにある。玄関に入るとフロントに声をかける。
「兵頭ヒロを呼んでくれませんか?」
「ああ、お兄さんですね。昨夜はお戻りではないですよ」
「すいません」
 後ろのソファにかける。すぐにスマホを出してアゲにメールを送る。
『ヒロはどこにいる?』
 続けて、
『事務所に行く』
とそのまま表通りまで出てタクシーに乗る。
「アゲ!スマホを見たか?」
 神部の事務所は誰もいない。囲いの部屋を開けると、アゲが一人パソコンに向かっている。
「今調べているの。夜に西崎と『梨花』から出て横浜に行っている。それからその近くに泊まっている」
「一緒か?」
「ええ」
「まだ別れていないのか?」
「同じところにいる」
「これからそこに走る。位置を見張っていてくれ」










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  1. 2017/02/02(木) 06:22:25|
  2. ミステリー
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邂逅11

 その夜ホテルに久しぶりにヒロと泊まった。この事件が終わったらアゲも入れて3人で生活をしようと言うことになった。それでヒロがマンションを探すことになった。前の社宅にいるわけにはいかないと言うのもあった。
「風邪引き?」
 珍しそうに水野が覗き込む。翌日はホテルで昼まで寝ていたのだ。
「風邪を引くようなことしたな?兄妹って怪しいんだから」
 そう言われながら新聞ばかり見ている。ライブ元会長の秘書の自殺を再調査とある。これは私が警察に畠山のUSBにあったライブ会長の自殺偽装の教唆部分を抜き出したのだ。もちろんエリの係わる部分は故意に外した。
『うれしい!一緒に暮らせるのね』
 アゲからの生尻を突き出した写真と流れてくる。ヒロといろいろ話しているのだこの二人は。
『ところでお仕事だけど、ヒロが誰かにつけられているって心配して調べたけど、どうも西崎のようなの。彼の位置情報がここしばらくヒロと一緒に動いているの』
『西崎はチェリーを指名してるが?一昨日の夜の動きを見てくれ』
「また妹?」
 水野がフマホを覗き組む。
「グループ吸収は順調なのか?」
「株価は少し戻りつつあるわ」
『あの夜は8時頃から『梨花』に重なっていて、朝まで重なっている。まさかヒロ寝たのかしら?』
 そんなことはない。あの日は私と同じベットにいた。まさか西崎がつけていたのか?
『しばらくヒロには内緒で2人を追ってくれ』
『焼きもち?』





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  1. 2017/02/01(水) 06:50:16|
  2. ミステリー
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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