迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


振出11

 ふと夢の中で蘇ってきた記憶がある。並んで敷いている隣の蒲団を見る。こいつはますますいい女になってくる。そっと体を起こして押入れの中に顔を突っ込む。確かに専務の部屋のネットに繋がっていないパソコンに重要物を入れ替える時に、無意識にUSBに!
 押し込んだ背広とズボンを調べてみる。やはりズボンにあった!そのUSBに絡むようにメモ用紙が巻き付いている。携帯番号だ。これは会長から渡されたものだ。急いでUSBを差し込む。
 過去の3社のライブグループの上場資料と、ライブの仕掛け中の資料だ。私のパソコンになかったのは未公開株のリストだ。これはライブの方で手配していたリストだ。
「これだ!」
「これ何?」
 ヒロが起きていて背中にもたれて覗き込んでいる。
「専務の機密書類だ。なぜあの時に思い出さなかったのか」
 それほど動転していたのだろう。もっと時間をかけて調べる必要がある。
「未公開株のリストは100名ほどあるが、半分が個人だ。これを調べることができるか?」
「ええ、やってみるよ」
「おそらく名義借りで未公開株を仕込んで儲けるという手口だ。ライブの会長や専務の関係者だろうと思う。でも本名には間違いない」
「フェイスブックで絞り込むよ。最近は結構登録しているのよ」
「まだ寝ないと?」
 昨夜は午前さんで戻ってきた。
「今日は抱いてもらえる日よね」
 もうズボンを下げて口にくわえている。
「凄く大きくなっている。嬉しい!」





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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/03/31(金) 06:07:51|
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振出10

『アゲと言います。正一社長からそちらの仕事を振られましたよろしく!女です。腕はいいですよ。まずは挨拶代わりに』
と畠山のアドレス帳を送ってきた。そこには専務のアドレスもある。これは会社用のものだ。
『頼もしいな。このアドレスの中にも入ってくれ』
とアゲに返信すると時計を見る。
 夜の8時に北浜で前の証券会社の上場チームの一人に会う。前回の移動で大阪支店の営業に配置されている。彼は新人でよく飲みに行った仲だった。
 支店の玄関で顔を合わせて彼の行きつけの居酒屋に行く。
「行方不明と聞いてましたが?」
「いや巻き込まれたくなかったからな」
「就職は?」
「ぶらぶらしている」
「畠山課長がライブの株で何億かを手にしたと噂していますよ」
「勝手に振り込まれた5000万は調査部にとられた」
「そうなんですか」
「会社はどう?」
「ライブの会長が作ったクラブの会員を上場させていくようです。それで積極的に出資をしていますよ。ネット証券は伸びていて従来の顧客はグーンと減って。専務は現場では社長のようにふるまってますよ。ほとんどライブにばかり行ってますね」
と営業マンの推奨株のリストを見せる。
「まるで未公開株の詐欺師のような営業です。今他の証券会社の面接を受けています。営業は大半同じ状態です」
「専務が乗っ取ったんだな。社長は?」
「カジノに通いづめという噂です」
「会長は?」
「ほとんど会社には出て来られていません」








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  1. 2017/03/30(木) 06:51:32|
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振出9

「こいつはかなり助平や」
 暗黙の了解で二人のセックスは週に1回している。それは私が泥沼に入るのを恐れているからだ。完全にチェリーに取り込まれている。オーナニーに取り込まれた若いころに似ている。とくにあの頃はネットカフェの仲間は千円をを渡してヒロにフェラをさせていた。
 ヒロのメールを覗き込む。10日目にアクセスに成功している。ヒロが写真を送ってアプローチした。すぐに畠山が自分の写真を送っている。毎日のようにメールを送ってきて裸の写真を要求している。
「そのアドレスをこちらに送ってくれ」
「どうするの?」
「正一のところに送ってパソコンの中に侵入させる」
「畠山は独身なの?」
「バツイチだ。3年前に高校生売春で警察沙汰になりかけた。100万で和解した。これが原因で課長の昇進が遅れたのだ」
「とんでもないやつね。裸の写真送るけどその条件は何がいい?」
「オッパイまでにしとけよ」
 ヒロはピクチャーから5点ほど送ってくる。二人は炬燵に向かい合って座っている。これも炬燵で妙な行為に入るのを遮っている。
「乳首を隠しているのにしろよ。畠山には全裸でちんちんが写っているのをもらえ」
 彼は露出狂だから問題ない。
「これを脅しに材料にするのね?」
 彼らの一番崩れやすいのは畠山だ。
「メールを送った。ラーメン食べに行かない?」
 どうもこのマンションでは私は兄ということで説明しているようだ。
「わ!もう来たよ!」
とそのまま私のパソコンに送ってくる。畠山のメールだ。ちんちんをぶら下げて顔も鮮明だ。
「異常だな」










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  1. 2017/03/29(水) 06:54:59|
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振出8

「機嫌が悪いな」
 朝から背中を向けてパソコンをやっている。
「昨日は女と寝たよね?」
「正一に会った。そしたら昔の彼女がいた」
「知っている。子供がいる」
「抱いてない。3人で昔話をしていたんだ」
「そう」
 男に嫉妬を焼かれるのも奇妙な気持ちだ。
 パソコンに神部からメールが入ってきている。神部は思ったより丁寧な調査をする。それで前金を30万送金しておいた。
『送ってもらった記事のクラブを調べました。クラブの契約は証券会社の上辻専務の名義です。不動産会社では内装も入れて2億は下らないとのことでした。マンションは青山にあってこれは家賃が80万です。上辻が時々通っているそうです。これはお願いなのですが、クラブにラインを入れたいので経費を…』
 これは後50万送ろう。
「神戸ちゃんね?私にも手伝わせてね!」
「ああ、まだ切り口が見えないのだがな」
「兄貴を騙した女がママになってるなんて許さない!」
「ならフェイスブックでこの男を捕まえてくれ」
 畠山のアドレスを教える。畠山はネットで若い女を探しては付き合う悪い癖がある。
「例の裏切った同僚ね。メロメロにしてあげるわね」
「それじゃ今夜は店を覗くよ」
「10時来て一緒に帰ろう?」






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  1. 2017/03/28(火) 07:06:07|
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振出7

 ミナミの東心斎橋の雑居ビルに正一の会社があった。1階から6階までピンサロやマッサージ店が入っていて7階に事務所がある。ノックをすると思いがけぬ豪華な造りの部屋に若い5人の社員がパソコンに向かっている。中の一人の女性が奥の社長室に案内する。
「来たな」
「10年ぶりかな」
「ヒロのマンションに転がり込んでいるらしいな?あいつに何度も来いと言ってたがなあ」
「ネット販売の会社だな?」
「そんなまともな仕事やない。企業秘密を盗み出すハッカーだよ。ここには出勤しない社員が20人ほどいる。依頼が企業から来たら得意な奴に任せる。雄介もやるか?」
「いやその気はないよ。もう株だけで生きているさ。ただやり残した仕事を手伝ってもらえるかと。まず手始めにこの証券会社の上場チームのパソコンに入ってほしい」
「これは難問だな」
 もしパソコンが入れ替えになっていないなら記憶しているアドレスで開くはずだ。
「報酬は?」
「楽しみにしてくれたらいい」
「よし乗った!お前は嘘はついたことがなかったからな」
 その夜正一は自分がオーナーのスナックに案内する。どうも抱かれる女ばかりを集めているようだった。
「雄介やね?」
 隣に座ったママが唇を耳元に寄せてくる。昔の彼女だ。
「あなたが捨てたから正一の女になったのよ」











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  1. 2017/03/27(月) 06:57:42|
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振出6

「ヒロの部屋に転がり込んだようやな?」
 朝の5時に寝て昼過ぎに起きて3時に新聞を手に三郎のすし屋に座る。
「日払いを追い出されたのだよ」
「最近チェリーは客を取らないと噂だ。とはいってもそれほど抱かれていたわけではないがな。5度ほど抱いたが今回は拒絶されたよ。それより仕事はどうするのだ?」
「ネットで飯が食えるからな」
「まさか昔のような侵入詐欺をしていないだろうな?」
 確かに大学時代の半ばまで彼らとそうしたことをしてアルバイトをしていた。だが株を始めてからは手を切っている。
「正一覚えているか?」
「ああ、あいつか」
「時々若いのを連れてここに来るが、ネット詐欺を続けている。ミナミに立派な事務所を構えている。雄介の話をしたら会いたがっていたぜ」
 彼とはその頃グループにいた女を取り合いしていたのだ。だが東京に行ってからは会ったこともない。東京に行く日に朝まで彼女とホテルにいた。三郎が名刺をカウンターに置いた。
 ふと手を止めた。週刊誌の写真にエリが写っている。十歳も貫禄が付いたような笑顔だ。彼女の横にライブの渡辺会長らが座っている。ITバブルの社長のクラブを銀座にオープンと見出しにある。私を嵌めた恩賞だろうか。だが私の子供をどうするのだろうか。だがこのけじめはつけないと次には進められない。
「チェリーの店に行くのか?」
「ああ、約束している」
 正一の名刺と週刊誌の記事を切り取ってポケットに入れる。










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  1. 2017/03/26(日) 07:12:55|
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振出5

 私とチェリーは奇妙な間になった。ヒロの顔を思い出すと抱く気になれないが、それでも1週間に1度はカラオケバーに通うようになった。この街に戻ってきてすでに3か月がたっていた。私は働きもせず部屋の中にこもってネット売買に熱中していた。とくにライブグループ4社をマークして手持ちの300万を1000万に乗せていた。買収を進めていたテレビ局の株も買い進んだ。
 今日はチェリーが並んでパソコンを開いている。チェリーも200万を500万にしている。昨夜はまた彼女を抱いてしまった。だんだん彼女が女にしか見えなくなっている。
「ね、私のマンションに越しておいでよ」
 これが最近チェリーの口癖になっている。少しでも会いたくなると酔っぱらって部屋に押し掛けてくる。ホテルの親父には女を入れるなと言われている。男とは見られていないようだ。彼女には飲んだ時に結婚前にエリに嵌められた話をしている。彼女は復讐すべきだと言う。それで少しずつ復讐の火が燃え始めている自分に驚いている。
 まずあれからどうなったのか大阪の探偵社から東京の探偵社を紹介を受けた。もう10日になるが初めてのメールが入ってきた。
『・・・証券会社の方ですが、専務は移動なく以前と同様上場チームの担当役員です。会長が取締役から抜けて相談役になっています』
 会長と専務の戦いは専務に軍配が上がったようだ。
『上場チームの部長は任命されず課長に畠山調査部係長が抜擢しています。この辺りは社内でよくない噂があり調査を続けます』
 やはり畠山は専務に買収された。
「専務秘書のエリさんは兵頭さんが退職後ほとんど同時に退職となっています。教えていただいた引越し会社で住まいのマンションは見つけました。調査はこれからです…』
「神部て言う探偵ね」
 背中から覗き込んでいるチェリーの手がズボンのチャックを下している。













 
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  1. 2017/03/25(土) 07:04:00|
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yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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