迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


迷路7

 専務は相当腹を蹴られていたようで紫色に浮腫んでいる。ワゴンで馴染みの病院に担ぎ込む。
「畠山の指示で?」
「いや、ライブの会長が彼らに指示していた。畠山は私を連れてきただけだ。きっとSで私と会長が話し合いをしたと思っている。畠山は会長の本当の姿を知らない」
「本当の姿?」
「彼は大学時代から詐欺システムを作っていた。私はやはりよく似た株のシステムをしていて知り合ったのだ。かなり悪いことをした。そこから今の流れになっているが、ベースは変わらない。私はどちらかというと怖くなって離れた方だ。裏では今でもやくざと手が切れないでいる」
「やくざ?」
「資金がライブから流れている。アルファベットの会社はすべてやくざと繋がっている。ここをばらすと命はないと脅された」
 専務が隠していたところはここだったのだ。
「私は株屋でやっていきたい。だから戻るのは拒否した。それで彼らに蹴られていたのだ」
「会長は?」
「彼は現場には来ない」
「これからどうしますか?」
「ライブとは縁を切る。だが彼の過去は話さない。だが君が調べるのは自由だ」
 私は後ろに立っている神部を見た。神部はすぐに調査を始めるだろう。
「畠山はどうするだろうか?」
「彼はすでに足を踏み込みすぎている。おそらく会長はこの証券会社のグループ化は諦めるだろう。だがエヌが終わるまでは生かしておくだろう」
 専務は疲れて眠ってしまった。それで神部は一人を置いて私と外に出た。
「これは思ったより根が深いですよ」
「アルファベットの会社を社長に調べてもらう」
 どうも私の手には負えない。








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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/05/13(土) 06:31:59|
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迷路6

 新橋のSの入ったビルの近く駐車場にワゴン車を止めてもう5時間が過ぎた。神部のほかに女性と男性が乗っている。この二人はそれぞれ車の外に出ている。Sの窓はまだ灯りがついている。だがそれぞれの金融の店はシャッターが下りている。逆に風俗の店が慌ただしくなっている。
『今Sの女社長と社員が3人降りてきました。だが取り立て屋たちは残っているようです』
 女性の声が聞こえてくる。
『畠山の位置情報が新橋に向かっている。車だと思うわ。専務の位置は動いてない』
 アゲのメールが入ってくる。
「畠山を捕まえようか?」
「うまくいくか?」
「おそらく一人で運転してきてここの駐車場に停めるはずです」
 神部がすぐに2人を呼び戻す。耳打ちをして外に出る。外はいつの間にか真っ暗になっている。15分ほどして予想通り畠山の運転する車が入ってきた。ここは繁華街のはずれで思ったより暗い。神部と男が車の両サイドに蹲っている。女性が出てきた畠山にぶつかる。ほとんど同時に男たちが白いハンカチで畠山の口を押えてワゴンに運び組む。
 畠山は麻酔をかかせれて意識を失っている。
「起こして脅すのは無理だろう。きっと彼のことだから取り立て屋と連絡しているはずだ」
 私は背広のポケットから彼のスマホを取り出して、一番近い発信先のメールを打ち込む。
『今から証券会社の社員を部屋に向かわせるから引き渡すように』
 神部がスーツ姿の部下をビルに向かわせる。彼は後ろから他人のようについていく。これは賭けだ。
『専務が動いたけどいいの?』
 神部と部下の男が専務を抱えて玄関から出てくる。
「かなり痛めつけられていたようだよ」
 ワゴンに入っても呻いている。
「畠山は放り出してくれ」









テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/05/13(土) 06:30:56|
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yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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