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迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


暴露5

『週刊誌を見た。殺すぞ!』
 西崎が再びメールを入れ来た。さすがにあの週刊誌の記事は効いたようだ。
『アゲまた入ってきた調べてくれ』
「室長この稟議決裁が取れたので作業に入りますよ」
 水野が稟議書を机に載せる。
「妹さんは?」
「まだどこかわからない。帰ってこないのかもな」
「兄さんも独り立ちの時よ」
『やはり前と同じ位置よ。でもこれは固定電話じゃない。やはり横浜』
 やはり移動していない。そう思うともう飛び出していた。あの文化住宅でタクシーを降りると、一人廊下を抜けて扉の前に立つ。ドアの向こうに小さな路地があってすぐ前にトタンの扉がある。だがその時に男の声がして慌てて廊下に戻って2階に上がる。
 西崎だ。やはり彼はここにいた。彼は廊下を抜けると建物の外に出る。私は入れ替わるように向こう側のトタンの扉を開ける。広い空地があって倉庫の建物がある。倉庫の中には古い材木が置かれている。ヒロはここにいる。倉庫の中に入っていく。中は思ったより広い。建物の中は古い木材で使われている様子がない。突き当りには大きな引き戸があるが鍵が掛かったままで錆びたままだ。
 吉井組長はスタジオについては知らないのかもしれない。
『スタジオの入口は?』
 岬にメールを送る。
『やっぱり行ったのね?スタジオには組事務所からは入れないのよ。目隠しされて車で案内されるの。目隠しを取ったらそこがスタジオだった』
『警察を送ろうか?』
『いや、まだヒロを見たわけではないから』







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テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/23(金) 06:52:14|
  2. ミステリー
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暴露4

 会社が引けて見張りを続けている神部のラブホテルの部屋に着く。ここには神部の他に2名いる。
「今日で3日ですが吉井組事務所から不審な人物や弁当などが運び込まれていることはありません。全部の周りの建物はこういうふうになっています」
 地図にチェックが入れられている。
「組長は?」
「先ほどクラブに。クラブにも先ほど私が確認してきましたよ。一人でカウンターで飲んでいました」
「組長は関係していないのか?」
「今のところ」
「エリは信用できるのですか?」
「それが自信がない」
「西崎はエリを守ろうとしているのですね?」
「だからヒロを誘拐した」
「だがエリはヒロが誘拐されたのは知らなかった」
「西崎はエリを愛しているのですね?」
「だがエリはそうではない。西崎は兄の吉井組長に誘われてエリを強姦している」
「難しい関係ですね?」
「このややこしい関係でエリは生きてきた。そして今は希望を失ったと言っていた」 
 そのエリがどんな道を選択するのか。
「私も少し歩いて回るよ」
と言ってもう陽の落ちた外に出る。確かにこの中に建物があるとは思えない。2周目になって古い文化住宅の中に入った。コンクリートの突当りにドアがある。
「ここは?」
 出てきた女の子に尋ねる。
「ここは開けてはいけないと大家に言われている」










テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/22(木) 06:55:53|
  2. ミステリー
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暴露3

 5か所調べてもらったがそれらしい場所はなかった。今日は朝から水野と上場予定の会社の社長に会いにく。だがやはりあまり気合が入らない。通り相場の話を聞いて後は水野に任せて会社を出た。
『あなた吉井組の関連施設を調べてるのね?吉井組長から聞いたわ。チェリーがまだ見つからないのね』
 潜入捜査官の岬からだ。
『もう潜入はやめたと聞いたが?』
『ええ、今は憂鬱な警視庁の部屋の中。久しぶりに抱いてもらいたいわ。ライブ事件は暗礁に乗り上げたわ。彼は常に自分で手を染めない。あなた何か情報を持ってるのね?でも脅されていて』
『ああ、でも脅されてばかりではな』
『一つ気になる場所があるの。恐らく組長は内緒にしているはずよ。実は裏ビデオのスタジオがあるの』
『どこ?』
『クラブの路地裏に抜け道がない建物があるの。これは組長が買い取った倉庫で将来クラブを拡げようとおいている。だけど地下にスタジオを作っている。ここで際どいビデオを作っている。常連も時々案内される。私も行ったことがある。ここでは監禁状態で女優を』
『捕まえないのか?』
『私の山じゃないから。ここには宿泊できる施設のある』
『組長は?』
『ここは元々西崎がやっていたのよ』
 さっそく神部と合流して調査にかかる。
「これは厄介ですよ。建物には組事務所を抜けないとは入れないのです。しばらくホテルに泊まり込んで張り込みしますよ。組長に聞くのは今回は控えた方がいいかと」










テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/21(水) 06:51:35|
  2. ミステリー
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暴露2

 記事が出た。
「今度上場させる先のリストです」
 水野がコーヒーを入れてファイルを机に置く。
「この会社はライブの起業家塾にいた会社だな?」
「ええ、最近ライブの新社長が新しい起業家塾を作ったのです。そこに移った会社で初の上場チャレンジですよ。なかなかと思うけど?」
「グループ間の売買は?」
「ありません」
「よし稟議にかかろう。しばらく仕事をしていなかったから、ちょっと頑張らなくちゃな」
『引っかかったわよ』
 女記者からだ。
『この記事の情報元を聞いてきた奴がいる。検察からもかかってきたけどこいつは怪しい。そちらに転送したから調べてみて』
 私はそのままアゲに送る。最近はアゲは同じマンションに移ってきている。初めはヒロのことがあって別々に寝ていたが、いつからか同じベットの中にいる。
『これは固定電話だよ。横浜でとしかわからないけど、横浜ならあのクラブと吉井組長の事務所が気になるよ』
 すぐに吉井組長のスマホに入れる。
『エリから連絡がありませんか?』
『全くない。西崎もそうだ』
『西崎が吉井組の関連施設で立ち回るところはありませんか?もしよかったらそこの固定電話を教えてもらえませんか?』
『警察に知らせたら責任を取ってもらうが?』
 それから5か所の電話番号を知らせてきた。それをアゲに送って神部に回ってもらうことにした。








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  1. 2019/08/20(火) 07:04:46|
  2. ミステリー
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暴露1

 エリが消えた。エリのスマホはマンションに残されたままだ。『梨花』にはしばらく旅行に行くと言い残している。私はヒロのことが心配だが会社に出た。アゲは西崎の新しい携帯を追いかけたが横浜で消えてしまっている。神部は吉井組事務所と西崎のマンションを張っているが、どんな情報もまだない。
 今日は久しぶりに女記者のところに来ている。彼女もライブ事件では業界に顔になって今は助手の女の子を使っている。
「少し停滞だな?」
 最近の彼女の記事を見てため息をつく。
「株価操作の指示くらいしか元ライブ会長を攻めれていないわ。検察も次の手がないわ」
と言われても手持ちの情報を出すと、明らかにヒロは殺されてしまう。手足が縛られた状態だ。とはいえこのままではいつまでもヒロは助け出せない。エリがヒロを助けると言っているが現実のところ西崎を動かしているのがエリかもしれない。
「秘書の毒殺については廊下を歩くエリの後ろ姿の写真をもう一度載せてくれ。この写真じゃなくてこれがいい」
「どうしてこれなの?」
「左手の指輪だ」
 この監視カメラは検察も引き上げているが、エリはカメラを意識して顔が見えないように歩いている。恐らく髪型も変えていたと思う。エリと特定できるのはこのダイヤモンドの指輪だけだ。『梨花』のものならすぐにエリと分かる。もちろん西崎もだ。
「それと畠山の前後の監視カメラの映像も、これとこれを載せてくれ」
 これは初めて載せるものだ。検察は秘書に毒殺に畠山が関与しているとは思っていない。
「これについては毒殺後畠山が作業員に扮して部屋に入った写真に、ホテルの部屋の中に畠山が監視カメラをセットしていたと説明してくれ。畠山にこの作業を指示したのはライブの会長だと言いきってくれ」
「そこまで書いていいの?」
「そこがぎりぎりだ。西崎にもエリにも相当なプレッシャーになるはずだ。私がその映像を持っていると思うはずだ」
「すぐに編集にかかるわ」










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  1. 2019/08/19(月) 07:02:42|
  2. ミステリー
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急転11

 夜エリとタクシーでマンションに着いた。
『エリのマンションに泊まるの?気を付けて。彼女が先ほどメールを打っているけど、これって西崎の可能性大ありよ』
 やはりエリは西崎の居場所を知っている。匿っているのもエリかもしれない。部屋に入るとそのままベットルームに入る。それから冷蔵庫からチーズとワインを出してくる。ワインは秘書に毒を持った飲み物だ。私はポケットからアゲが作ったUSBを出す。
「私にはもう用がないわ」
 もう裸になっている。
「飲まないの?」
「毒は入っていないわ。私の飲んだワインを続けて飲んだら?」
 半分ほど飲んでグラスを渡す。エリは新しいグラスにワインを注ぐ。ワインを口に含んで私のものを咥えた。殺す気はなさそうだ。そう思うと急に口の中で反り返ってくる。元々エリはファエラは得意だ。喉の奥まで入れる。
「私のアナルを舐めてくれる?初めてだから優しくね」
 いつの間にはヒロに鍛えられた亀頭をアナルに押し付ける。
「あ!」
「痛かった?」
「もう入っているの?」
「ああ、しっかり奥まで入っている」
「ヒロと比べてどう?」
「少し窮屈だけど気持ちはいい」
「あなたと一緒になるべきだったのね」
 その言葉を何度も独り言のように言いながら白目をむいている。







テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/18(日) 07:19:21|
  2. ミステリー
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急転10

 『梨花』に着いた頃はまだ店は閉まっていた。社員専用の扉を抜けるとショーの練習の声が聞こえる。そのままエレベターで社長室に向かう。
「やはりきたね?」
 エリが煙草をゆっくりとふかしている。ソファのテーブルにコヒーカップが2つ並んでいる。
「西崎が来ていたのか?」
「そう」
「彼を指示しているのは君か?」
「彼の独断よ」
「チェリーを助けてくれ」
「彼女が男だったとは思わなかったわ。でも好きな子だった。ヒロっていうのね?あなたが男と抱き合えるなんて不思議だわ」
「膣よりアナルが気持ちがいい」
「私の頼み聞いてくれる?なら助けてあげる。西崎はもう私を守る必要がないことを忘れている」
 彼女はどうしようとしているのか?
「今晩マンションに泊まりに来て。一緒に店を出よう」
 私を殺す気か?
「ヒロを助けてくれるのか?」
「ええ、それに今から慰み者にしないと約束させている」
 そう言ったエリの表情が虚ろだ。
「どこにいるか知っている?」
「ええ」







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  1. 2019/08/17(土) 07:45:29|
  2. ミステリー
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急転9

 今日から久しぶりに会社に出ている。
「元気がないね?コーヒーを入れるけど?」
 水野が心配して私の顔を見る。今回の休暇の内容は内緒にしている。
「妹が家出をしてしまったんだ」
「心配ね?」
「ライブの株価は?」
「元の高値に着実に戻っています。元会長の影響はほとんどない。合併がうまくいっているのもありますね」
『用意できたか?』
 西崎のメールだ。
『USBに入れた。いつでも渡せるようにしている。チェリーは元気か?』
『毎日3人で可愛がってやっている。まずUSBを送るのだ』
『物々交換だ』
『そうはいかないさ。ダメなら殺すぞ。よく考えるのだ』
とメールが途絶えた。慌ててアゲに位置確認をする。もちろんこの携帯もすぐに捨てられるだろう。
「妹さん?」
「いや女友達だ」
 水野が覗きこもうとするのを遮る。
「私はこれからライブの社長に会いに行きますが?」
「妹のことで出かけなきゃいけない」
 そんな気がしている。水野はファイルを鞄に入れて出ていく。
『このメール『梨花』の近くから発信されているよ。それでエリのスマホも調べてみた。同じ位置に重なっている。でも西崎のは消えてしまったけど』
 西崎はエリに会っていたのだろうか?やはりこの監禁はエリの指示なのか?私はコートを着ると会社を出た。まだ『梨花』の開いている時間ではない。









テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/16(金) 06:55:08|
  2. ミステリー
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急転8

『ご苦労なことだったな。男3人に毎日チェリーは犯されてきたが、殺しはしない。だがエリの殺しの証拠を用意しておくのだ。次連絡した時に送れなかったら今度は殺す』
 西崎からのメールが入ってきた。これは本気だ。
『どうも知られてしまったようよ。高速を降りたところで消えちゃった』
『今西崎から連絡が入った。きっとどこかで捨てたのだろう。位置情報はばれている。それよりアゲ力を貸してくれ』
『力も体も心もすべて使ってよ』
『今夜マンションに来てくれ。手伝ってほしいことがある』
 私は神部にマンションまで送ってもらう。
「西崎とエリの両方を見張ってもらえるか?」
「分かりました」
 それだけ言うと部屋に入ってパソコンを開く。証拠資料を調べてコピーをしていく。西崎は証拠資料を出してもそうはチェリーを釈放しないだろう。ずっとヒロを人質にするはずだ。そのためにはどうしたらよいのか。
「何したらいい?」
 いつの間にかアゲが来ている。
「このUSBに何か細工ができないか?」
「そうね。でもこれを渡したらヒロが助かるのじゃないの?」
「そうはいくまい」
「殺しはしないがずっと釈放しないだろう」
「ずっと性の奴隷のまま?」
「ああ、だから考える」
 そのままアゲはパソコンをいじっている。
「USBに位置情報を発信させるよ。それからとっておきのアゲウイルスをうつしておくの」
「ウイルス?」
「10日ですべての情報を食べつくすのよ」










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  1. 2019/08/15(木) 06:58:25|
  2. ミステリー
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急転7

 急に前が見えないほどの雪になった。一つ目の分かれ道に来た。神部が車を降りて雪道を分かれ道の方に歩いていく。
『今西崎から連絡があったわ。チェリーを釈放するように言ったわ。でも聞かない。新しいアドレスなのでそちらに送るわ』
 エリからだ。即座にアゲに返送する。
「ここは10キロ先で木が倒れて通行止めになっているようです。引き返してきた車に聞いたが相当前から通行止めになっているそうです。この道の選択は捨てるしかないですね」
 雪が酷くなった。もうゆっくり進むしかない。通る車も急に減ってきた。
『見つかった!今いる道の先の道を曲がって走っている。75号線に入った。この道を行くと小田原に出る』
 アゲからメールだ。
「この時間からだと小田原に出るのは無理だ。西崎が走り抜けるかもしれないが、時速30キロが精一杯ですよ」
 ここで部下と神部が運転を変わる。そこから走ること1時間半車がスリップして道路脇に乗り上げる。
『小田原に抜けたよ』
 アゲからメールが入る。
「戻って東名に乗りましょう。小田原に出るにしても東京に戻るにしても」
「どちらにしても追い付ける可能性ありですね」
 バックをすると元の道を戻っていく。
『東京に向かって走り出した』
 東京ではどこに行くのか?あくまでも私と交渉をする気だ。だが警察もライブの会長を追い込んでいる。そこにはエリと言う山が立ちふさがっている。エリは実行犯だ。
『ライブの会長はどこまで?』
 岬にメールを入れる。
『がんと否認しているわ』




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  1. 2019/08/14(水) 06:57:58|
  2. ミステリー
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急転6

 岬に西崎が芦ノ湖に向かっていると言うメールを流した。警察力を頼るしかない。道路は薄ら雪が積もっている。朽谷に芦ノ湖にグループの社宅があるかと尋ねたがないと言う返事だ。なぜ熱海に来ていることを知られたのか。運転は神部から部下に変わった。
「今の時間なら芦ノ湖の近くに来ています。それ以上進むのは時間的にも無理で雪も酷いので無理かと思います」
「位置情報を盗られているのを感ずいたのか?」
「急に動き出したのはそうかもしれません」
 それでアゲにメールを送る。
『車は動いているか?』
『はい。今芦ノ湖で止まっているよ』
『芦ノ湖で止まっていると言う情報が入った。ひょっとしたら携帯だけが走っていたいう可能性もある調べてくれ』
『伝えるわ』
 岬は今日は警視庁に出ているようだ。
「万が一を考えてここでガソリンを入れときます。もしさらに走らなければならない可能性もあります」
 部下に前のガソリンスタンドに車を入れさせる。部下は近くのコンビニに走る。
「ずっとすれ違う車を見ていましたが西崎の乗っている車とはすれ違っていません。と言うことはこれからの曲り道を曲がったと言うことになります」
 神部は地図を広げて曲り道をさす。
「今のコンビニにこの車が止まって買い物をしていたようです」
「ここまでは来ていた」
『見つけたよ。西崎の携帯。やはりトラックの荷台に投げ込んであったわ。途中で曲がったか引き返したかよ』
 岬からのメールだ。
「やはり想像通りですね?だが地図で見ると曲り道は2か所あります。どちらに絞るか問題ですね」





テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/13(火) 06:56:03|
  2. ミステリー
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急転5

 夜半まで熱海のホテルを回ったが写真の車は発見されなかった。結局途中のホテルに宿泊して夜を明かした。翌朝続いてホテルを回っていたら巡査とぶつかった。警察も動き出している。
『まさかチェリーが男だったとはな!』
 ヒロが全裸で縛られていて、男の手がヒロのものを握って写真が添付されている。
『だが気に入った。これ以上この事件を暴くな』
 西崎だ。慌ててアゲにこのメールを転送する。
『調べてくれこれは西崎だ』
「西崎からメールが入ったのですね?」
 さすがにヒロの写真を見せられず頷いた。
「あの週刊誌を見たのだ。だが熱海に来ているとは思っていない」
「もう60軒は回りました。ホテルではない可能性もありますね」
「社宅か別荘か?」
 私は思い出して朽谷にメールを流す。
『ライブグループの役員専用の別荘が熱海にある。電話番号を送る』
 神部がそれをナビに入れる。
「ここから遠くない海岸にあります」
 車を別荘に着けるとガレージを覗いた。閉まったままだ。出た後か!?神部が玄関の鍵を合鍵でようやく開ける。玄関には靴はない。部屋に上がるとビニール袋にカップヌードルや缶ビールの空き缶が掘り込まれている。縛られていた縄が残っている。間違いなくここにいた。
『西崎の位置が見つかったよ。別荘から山側に動いている。芦ノ湖に向かっているよ』
 アゲからのメールだ。
「これだったら追い付くのに3時間かかりますね」
 部下がもう表に車を回している。





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  1. 2019/08/12(月) 06:51:40|
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急転4

 休暇届を出した。マンションにはアゲが泊まりに来てきてくれた。朝、神部が車に乗ってきた。エリが書き出した15か所の西崎が立ち寄るリストを回ることにした。ちょうど7軒目で吉井組長からスマホにかかってきた。
『エリとも話したが彼女も知らないようだ。こちらで組員を出してあの2人の立ち回るところを回らせたが、2人の子分を連れてきて問いただしたが、車を貸したと言うのだ。ナンバーの写った写真添付した。話では熱海の地図を見ていたようだ』 
「熱海か?」
 もうハンドルを回している。私は熱海と言う話と写真を添付して岬に送る。
『ライブの会長はどうなっている?』
 女記者にかける。
『秘書の殺人教唆も起訴されることになった』
『エリの名は出てきているか?』
『いえ、こちらの情報では会長と畠山のパイプだけよ。だがそれなら畠山には当日アリバイがあるのよ』
 まだ会長はエリの名前を出していない。エリの名が出なければ殺人にはならない。実行犯がいないわけだ。
『次の記事で秘書殺人の実行犯がいると書いてくれないか?殺された畠山がその証拠のUSBを持っていたとまで書いてくれ』
『本当にあるの?』
 その脅しが今は必要なんだ。
「熱海に入った」
「どこから回るか?」
「真ん中の大きなホテルではなくて辺鄙なホテルを選んでると思う」
 恐らく男3人が大きな鞄を抱えている。私を脅すためでヒロを殺すことはないと信じている。




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  1. 2019/08/11(日) 07:36:03|
  2. ミステリー
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急転3

 エリにも連絡が付かない。やはりこれはエリの指示なのだろうか。7時に『梨花』に入ったがエリは顔を出さない。
『西崎のマンションは空だわ。今横浜のクラブに来たけど、ここにも姿がない。刑事をマンションには貼り付けた』
 それを見て吉井組長にスマホを入れた。
『まさか組長が絡んでいるわけでは?』
『どうした?』
『チェリーが西崎にさらわれた!』
 吉井組長は全く知らないようだ。
『チェリーは?』
『妹だ。あのやくざが2人協力している』
『よしその2人を探してみる』
 カウンターに2時間余り座っている。ようやくエリが姿を現して私を見てカウンターに来る。
「チェリーを浚ったのか?」
「誰が?」
「西崎だ」
「チェリーは?」
「妹だ」
 スマホを出して西崎を呼び出している。
「繋がらない」
「ポーズじゃないよな?」
「知らない」
「横浜でのあては?」
「あのクラブは?」
「吉井組長も知らないと言っていた」
「タイに連れて行った2人は?」
「あれは吉井組じゃないわ。西崎の手下よ。でもどこにいるか知らない」





テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/10(土) 07:08:16|
  2. 未分類
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急転2

『神部社長も含めて3人が横浜に入った。何かあれば連絡が行くよ』
 アゲからメールが入る。まず横浜のクラブにタクシーで着く。クラブはまだ閉まったままだ。岬にメールを送る。
『昨夜11時頃に西崎がチェリーを同伴してきていたわ。店が閉まって一緒に出かけた。戻ってこないの?西崎に電話を入れてみるわ』
 私は『梨花』の周辺のラブホテルの8軒目にチェリーの顔を見たと言うフロントに会った。
「確かにこの女性が入られましたが、出られた形跡はないですね」
 話していると神部が後ろに立っている。神部はフロントの耳元で何やら囁き金を出した。ついてきた部下に防犯カメラを頼み私とヒロが入った部屋を案内させた。
「確かに泊まった跡がありますね?バスタオルも2人分使っています」
『30分前に2人の位置情報が消えたよ』
 アゲのメールは30分前についている。
「こちらに来てください」
 神部の部下が呼びに来る。
「ここを見てください。1時間前に廊下を男が大きなリュックを背負って歩いています。それが玄関に出ると外から2人の男が入ってきてそのリュックを担いでいます」
「初めから西崎はチェリーをとらまえる気だったと言うことだな」
 これからどうすればいい?どうも西崎にチェリーの正体を見破られたのだ。あの夜つけられた私の責任だ。
『岬、西崎の指名手配をしてくれ』
『いいわ。西崎のマンションに行くわ』
 エリと話すしかない。エリが指示したのだ。








テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/09(金) 06:56:00|
  2. ミステリー
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急転1

「女記者に原稿を届けてくれ」
 水野に原稿を渡してコートを着る。
「どこかに?」
「久しぶりに妹に会ってこようかと」
「怪しい!」
 そう言われてビルを出てタクシーを乗った。朝からヒロにメールを送っているが返事がない。『梨花』に出る前に昼食を一緒に取ろう。ヒロの泊まっているビジネスホテルは知っている。ホテルは『梨花』の裏通りにある。玄関に入るとフロントに声をかける。
「兵頭ヒロを呼んでくれませんか?」
「ああ、お兄さんですね。昨夜はお戻りではないですよ」
「すいません」
 後ろのソファにかける。すぐにスマホを出してアゲにメールを送る。
『ヒロはどこにいる?』
 続けて、
『事務所に行く』
とそのまま表通りまで出てタクシーに乗る。
「アゲ!スマホを見たか?」
 神部の事務所は誰もいない。囲いの部屋を開けると、アゲが一人パソコンに向かっている。
「今調べているの。夜に西崎と『梨花』から出て横浜に行っている。それからその近くに泊まっている」
「一緒か?」
「ええ」
「まだ別れていないのか?」
「同じところにいる」
「これからそこに走る。位置を見張っていてくれ」










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  1. 2019/08/08(木) 06:48:41|
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邂逅11

 その夜ホテルに久しぶりにヒロと泊まった。この事件が終わったらアゲも入れて3人で生活をしようと言うことになった。それでヒロがマンションを探すことになった。前の社宅にいるわけにはいかないと言うのもあった。
「風邪引き?」
 珍しそうに水野が覗き込む。翌日はホテルで昼まで寝ていたのだ。
「風邪を引くようなことしたな?兄妹って怪しいんだから」
 そう言われながら新聞ばかり見ている。ライブ元会長の秘書の自殺を再調査とある。これは私が警察に畠山のUSBにあったライブ会長の自殺偽装の教唆部分を抜き出したのだ。もちろんエリの係わる部分は故意に外した。
『うれしい!一緒に暮らせるのね』
 アゲからの生尻を突き出した写真と流れてくる。ヒロといろいろ話しているのだこの二人は。
『ところでお仕事だけど、ヒロが誰かにつけられているって心配して調べたけど、どうも西崎のようなの。彼の位置情報がここしばらくヒロと一緒に動いているの』
『西崎はチェリーを指名してるが?一昨日の夜の動きを見てくれ』
「また妹?」
 水野がフマホを覗き組む。
「グループ吸収は順調なのか?」
「株価は少し戻りつつあるわ」
『あの夜は8時頃から『梨花』に重なっていて、朝まで重なっている。まさかヒロ寝たのかしら?』
 そんなことはない。あの日は私と同じベットにいた。まさか西崎がつけていたのか?
『しばらくヒロには内緒で2人を追ってくれ』
『焼きもち?』





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  1. 2019/08/06(火) 07:04:46|
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邂逅10

「最近チェリーを指名しているのね?」
「いや、ネット社長のお薦めでね」
「あの子は可愛いわ。私でも抱いてみたいと思っているもの。最近吉井は私を抱こうともしないわ。雄介もそうでしょう?」
「ライブの会長が逮捕されたが?」
「彼はもう下がるところがないのよ」
「君は?」
「私ももう失うものは亡くなったわ。兄はもう愛してくれないし・・・」
 エリは元気になったが目に力がない。
「今のクラブをやればいいじゃないか?」
「そうね。あなたはどこまで証拠をつかんだの?」
「そこそこだ」
「最後まで追い込む?」
「ライブの会長はでもエリがもうクラブに帰るのなら考えてもいい」
 これは偽らない気持ちだ。だが警察はどこまで踏み込むかは分からない。
「もうやめろよ。畠山も自業自得だ」
 メールがポケットの中で震えている。
「もう店も終わったわ。最近西崎と寝ているの」
「そうか」
「恋人ができた?」
「いや」
 ドアを出ると暗い通路を抜けて裏口に出る。もう店のネオンは消えている。路地を抜けていくとヒロが腕を組んでくる。
「美味しい店があるよ」







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  1. 2019/08/05(月) 14:58:56|
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邂逅9

「飲む?」
 エリがビールをテーブルに押し出す。
「吉井と会ったのね?」
「西崎から聞いたのか?」
「ええ」
「あなたの調べた通り吉井は私の兄よ。初めて抱かれた男性。子供も吉井の子供よ」
「調べた」
「兄は興味で私を抱いたけど、私は狂ってしまった。彼に捨てられないようにといろいろ頑張った。結婚したいと籍も抜いたわ。でもどんどん離れていく」
「あの時ライブの会長は私の自殺を教唆したらしいね?それに専務は懲戒解雇を?」
「それも聞いた?」
「ああ、今までは嵌められたとばかり思っていた」
「嵌めたそれは事実。恨んでいいよ。でも吉井も言っていただろうけどあの頃は雄介を愛していたわ。でも兄とどちらかを選べと言われれば兄よ。あの時ライブの会長は雄介を消さなければ吉井組を切ると言ってきた。それで畠山を使って不正を作り出した。彼奴はその度に金と体を求めてきた」
「私が戻ってきたのは予想外だったのか?」
「ライブの会長は私のミスだと言っているわ。その通りね。タイにも来ていたのね?」
「ああ」
「あれは兄は関係ない。タイに連れ出すのは兄の部下だったけど、拷問をしたのは西崎の部下よ」
 ドアがノックされてチェリーがオードブルを運んでくる。さすがに心配しているようだ。その時エリの目が光ったような気がした。








テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/04(日) 07:15:57|
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邂逅8

 水野がリーダーでライブの再編成を上場室全員を動かして開始した。
「記事を載せたのだけど反応はまちまちなの」
 水野がパソコンをこちらに向ける。会長を解任して徐々に株価が回復をしていたが、グループ会社の決算報告が出始めるとまた反落した。この記事で1割を回復したが伸び悩みをしている。
『エリが会いたいと言ってるが、今夜9時に『梨花』に来れるか?』
 ネット証券の社長からだ。彼はエリと私の微妙な中間にいる。
『エリは今出てきているのか?』
 ヒロにメールを送る。ちょうどクラブに入った頃だ。
『3日前から出てきているよ。昔の元気なママに戻ったみたい。でも最近西崎がカウンターでママとひそひそ話しているよ』
 9時に『梨花』に着く。ネット社長のボックスに案内される。ボックスにはチェリーとサブが座っている。チェリーはもう人気のホステスになっている。カウンターにヒロが言っていたように西崎と並んで掛けている。エリがこちらを見たようだ。チェリーが立ち上がってカウンターに行く。
「タイに行ったらしいな?」
「エリが言っていたのですか?」
「ああ」
 チェリーが戻ってきて私に耳打ちした。
「事務所の応接に案内するわ」
 初めてクラブの裏側に入った。化粧室にロッカーが並んでいる。華やかな店地裏腹に雑然としている。半裸のホステスが着替えている。
「ここはホステスの採用に使うのよ」
 小声でチェリーが囁く。チェリーがノブを押すと煙草を咥えてスナホを持ったエリがいた。








テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/03(土) 07:01:16|
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邂逅7

 女記者の週刊誌を手に久しぶりに警視庁の玄関に入る。部長のネームの部屋のドアを押す。制服の岬が別の顔で私を迎える。吉井組長と会った夜中岬は筋肉の鋼のような体で私に絡みついていた。
「畠山の遺体を日本に移送した」
 部長は俯いたまま資料に目を通している。岬はパソコンに検死報告を映し出してこちらに向ける。胸の空いたドレス姿の岬を見慣れているので制服が浮いて見える。
「週刊誌にすっぱ抜かれたが元々君の情報だからなあ。検死の報告を簡単に説明したまえ」
「毒殺だと思えますが、指が右手で3本、左手で2本、根元から切断されていました」
 やはり拷問をしてUSBを出さした。だが畠山は原本を残していた。
「そちらはどこまで証拠を握っているのか?」
「ある程度」
「どこまで出す?」
「ライブの会長を追い込むために少し時間をかけたいのです」
「ライブの会社は?」
「グループの編成を行って生き残りにかけています。吉井組まで挙げる予定ですか?」
「オレオレ詐欺の頭は挙げたが組にまでは無理だ」
 パソコンの画面に畠山の欠けた指が写っている。彼奴も欲をかきすぎたのだ。元々は気の小さな男なのだ。
「今日すでにライブの会長を呼んでいる」
「任意ですか?」
「逮捕だよ」
「容疑は?」
「株価操作の指示だ」
「これについては現在のネット証券の社長から畠山がライブの会長から株価操作の指示を受けていた証拠を出しています」
「その逮捕の間にある程度の殺人示唆の証拠を出せと言うことですね?」









 
テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2019/08/02(金) 06:57:47|
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邂逅6

 水野を連れて雑誌社のビルを覗く。
「へえ、綺麗な部下がいたんだ」
 女記者が水野に会うのは初めてだ。
「これからは彼女にも入ってもらうので連れてきた」
 応接室に入るともう編集モードになる。
「昨夜タイで例の畠山の死体が上がった」
「警察は?」
「今知らせた」
「明日出せばすっぱ抜きね!」
 彼女はファイルを出してきて畠山の資料を出してい来る。
「誰かに連れ出されてタイに不法入国したことになるね?」
「ああ、会いに行ってきた。もちろんその時は生きていた」
「殺した相手は?」
「目星が付いている。だがそれを伏せて攻め込んでほしいのだ」
「炙り出す?」
「ライブの会長を引き出したい。畠山は彼の殺人示唆の証拠で脅していたのだ」
「それで殺された?」
 水野が探るような目で見る。私のタイ行が関係あると思っている。私は載せてほしい記事の台本を入れたUSBと畠山のタイでの写真を渡した。
「警察からネタを聞かれたら?」
「私の方で警察とは話す」





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  1. 2019/08/01(木) 06:03:35|
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yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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