迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


宣戦布告8

「狭い事務所でどうも」
 神部探偵事務所は新橋の飲み屋ビルの上にある。女の子がお茶を運んできてくれる。神部は思ったより年配だ。
「私は56歳です。42歳で刑事を首になって離婚、ようやくこの業界で食べれるようになったのですよ。この子は一人娘で電話番をしてくれている。ところであのリスト新しいメンバーは大半『梨花』のホステスや従業員です」
 リストにチェックが入っている。
「専務は時々来てるのですか?」
「ええ、ホステスの話では3日に空けずオーナーぶりは凄いです。これは指示を受けていないことですが、刑事の癖でライブの秘書の自殺はあれは他殺だと。警察のルートを調べてみたのですが、彼が泊まっていたホテルを手当てしたのはライブの会長ですが、その夜来た女がいるようです」
「警察では夜の女が1時間ほど泊まっていったと調べ済みだが、それ以上は確認できていないのです」
「やはり他殺?」
「ホテルの廊下の監視カメラに『梨花』のママが写っていたのです」
「エリが?専務の指示か」
「分かりません。ただあの夜に写っていたのは事実です」
「もう少し調べてください」
 これほどエリがこの事件に深くかかわっているとは思っていなかった。ただ私を嵌めるだけの役ではなかったのだ。
「でエリは子供を産んだのか?」
「いえ、もうすぐハワイに行かれてそこで産むそうです」
「専務の子供だろうな?」
「ホステスの話ではそうでもないようです」
 まさか私の子であるはずがない。






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  1. 2018/04/21(土) 06:35:53|
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宣戦布告7

「遅かったな」
「凄いマンションね」
 時計を見るともう1時半を回っている。
「タクシーで分かったか?」
「代官山って有名なんだってよ」
 顧問からもらった名刺をヒロに見せる。
「調査部課長って素敵ね?」
「第2課長とあるだろ?部下のいない隠密課長だよ。出社も自由だ」
「私の手伝うことある?」
「しっかり踊っていたらいい」
「踊りの基本ができているとママに褒められた」
「妹として紹介したからよろしくな」
「でも二人の時は恋人よ」
「明日は?」
「会社に出てそれから探偵に会う」
「私は荷物が付くので荷をほどいて足らないものを買いに行く。今日は布団が一つしかないから一緒に寝ようね」
と言ってもたれ掛る。
「またアゲだ!」
『畠山課長のパソコンに例の未公開株に似たリストが専務から送られてきているよ。前のリストから半分は消えていて人数は倍に増えてる。ところで妹さんに会いたいわ』









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  1. 2018/04/20(金) 07:06:18|
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宣戦布告6

 パソコンだけを鞄に詰め込んでヒロと新幹線に乗った。彼女は荷造りで徹夜してすやすや眠っている。恋人にしては若すぎるが妹というほどまったく似ていない。私はアゲから送られてきた資料に目を通す。今回の上場は上場チームが全員担当しているようだ。
 エヌの社長はまだ32歳で私と同年配だ。最近は女性社長の上場も珍しくなくなっているが若い。ライブの渡辺会長の起業塾のニューフェイスのようだった。公式の履歴書も出来上がっている。会社設立して5年で上場という位置にいる。ライブとは取引はないが、株はライブが5000万を所持している。
 八重洲でヒロと別れる。彼女は新宿のニューハーフクラブに向かう。私は日本橋の証券会社の本社ビルに向かう。約束の時間ちょうどに調査室のドアをノックする。
「待っていた」
 握手をして会長が顧問室に迎え入れる。最後に見た時よりも若々しい。63歳のはずだが50代後半に見える。部屋のソファに黒のスーツ姿の女性が座っている。
「彼女がエヌに主査で出向する水野君だ」
 挨拶はそこまでで分厚いファイルを3冊用意して読み合わせを始める。彼女は東大のエリートで質問は的確だ。私のような地方大学ではない。
「現在はとくにエヌに上場資格には問題ありません」
「株主構成は?」
「ライブ関連は13%ですが社長自身の持ち株がこの時点72%と問題はないですね」
「今まででは次の未公開株で不透明な動きがあると思います」
 顧問は腕時計を見て、
「入社祝いに席を用意している。少し遅くなったな。妹さんも呼ぶかい?」
「いえ向こうも就活ですよ」








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  1. 2018/04/19(木) 06:59:13|
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宣戦布告5

「来月から東京に来てくれないか?」
 いつものように三郎のすし屋のカウンターに座っていると専務からスマホにかかってきた。
「来月っていうと明後日ですよ」
「例のエヌという会社の調査が取れた。ライブのグループではない初めてのIT会社だよ。調べてみたら元々ここの証券会社が主幹事証券だったのだ」
「また危ないことを」
「それ程この会社が有望だということだ。IT会社としてライブのような偽物じゃない。余程テレビ局の株の資金がいるのだ。急ぐのは主査に私のところから社員を送り込んだ」
「もってこいのチャンスなのですね。分かりました」
 スマホですぐにヒロに繋ぐ。
「明後日から東京に行く。ヒロは引越しの用意をしてゆっくりくればいい」
「私も一緒に行く。今度は置いて行かれないから。引越しは三郎にお願いしている」
 三郎が寿司を握りながら笑っている。どうも話は進んでいるようだ。
『アゲ。明後日東京に行く。それまでに上場チームのパソコンに侵入してチーム全員のエヌ関係の資料を集めてくれ。それと社長に今までの請求書を送ってくれるように』
 瞬間にいつものようにアゲの返信がある。
『請求はまだいいとの社長の返事です。それより妹とは思えない妹さんも一緒に行くの?妬けるわ!上場チームのパソコンはもう侵入して調査済です。エヌのものだけ送るよ』
「しばらく帰ってこないのか?」
 2本目のビールを抜く。
「どうしてもし残した仕事がある」
「嵌められたと言っていたが?」
「この迷い道の出口はこれしかないのだ」




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  1. 2018/04/18(水) 07:08:24|
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宣戦布告4

『例の名刺をもらって『梨花』に行ってきました。顧問に接待費の枠をもらいました。取りあえず持てないが内情に詳しそうなホステスを捕まえました。ここはIT関係者が多く証券関係者も多いようです。ホステスの名簿を手に入れたので添付します』
 そのメールをそのままアゲに送る。それに反応したようにアゲから返信が入る。
『畠山のスマホから会社のパソコンに入ることができたよ。今のところ上場チームの社員のパソコンにも入れる』
『上辻専務のパソコンはどう?』
『専務というのがあったけど、ここは部下とのやり取りだけに使っている』
『一度最近のをこちらに送ってくれ』
「デートしてるんじゃないの!」
 いつの間にか帰ってきて覗き込む。真夜中の2時半を過ぎている。今日はニューハーフ店のステージの日だ。
「そちらこそ客とやってるのじゃないか?」
「私は雄介命なのに!」
 思い切り唇を吸ってくる。これは不味い!
 アゲのメールが流れている。がもうチェリーは素っ裸だ。踊るようになって物凄いくびれになっている。私もこの状態では最近抑えがきかない。こういう時は頭の中でヒロを追い出して、チェリーに入れ替える。彼女のものは膨張率が高く体に合わない大きさになる。咥えるのも違和感がなくなっている。
「いつ東京に行くの?」
 そう言って69の態勢でお互いのものを吸いあう。
「う!」
とチェリーが顔を上げる。口から精液が零れている。それを美味しそうにごくりと飲み込む。
「今の店で新宿の店を紹介してもらった。東京に行ったら居酒屋はやめるわ」
「踊りが気に入ったか?」
「スカッとするわ」











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  1. 2018/04/17(火) 06:45:59|
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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