迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


深層2

『100万の振り込みをもらったが、かなり焦るな。エリのパソコンはかなり厳重で残念ながら・・・。だがライブの会長の過去を調べていて気づいたことがある。雄介も覚えているだろうが、昔このライブと仕事をしたことがある・・・』
 『梨花』の前の喫茶店でコーヒーを飲んでいる。もう8時から1時間になる。正一のメールで高校時代のことを思い出す。彼らとつるんで悪さばかりしていたのだ。
『・・・オレオレ詐欺の走りだったが受取人をして逮捕されたな。雄介は反対したのに俺が手を出した。あれがライブの会長の創立期だったのだ。もちろん会長自身は会ってはいない。それで調べてみたが今もライブの中にその時の女がまだいたよ。会長の妻で常務だ。もう40歳になっているんだな。初めて抱かれた女だよ』
 そうだ。抱かれたという話は覚えている。だから捕まってもげろをしなかった。
『近くに東京に行く。この金はいい資金になる』
「初恋の人に会いに行くか」
「それは何の譫言ですか?」
 コーヒー入れに来てくれた水野が声を上げる。
「入るときはノックするべきだ」
「一人ぽっちでは寂しすぎるわ」
「エヌはどうだ?」
「社長は正式にライブの起業塾からも脱退しました。彼女はエースだったので脱退者がたくさん出たようですよ」
「ライブも伸るか反るかの時期だな。ところでライブの会長の奥さんにあったことがあるか?」
「一度講演を聞いたことがありますよ。どちらかと言うと会長より彼女の方が開発は上だったように思います」
「どんな感じの人だ?」
「エヌの社長の姉さんの感じかな」





テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/05/21(日) 07:06:57|
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深層1

 テレビ局とライブの交渉がありライブから役員を受け入れることになった。エヌではライブは派遣の役員以外ライブ寄りの社員が5人解雇された。ライブはそれをもって株を引き上げた。至る所で攻防が続いているという感じだ。
 社長室に入ると、前回の円卓会議でプレートを付けていなかった男性が座っている。
「彼の言うにはSが裏社会とライブのパイプ会社ではないかと言うのだ」
「ブラックマネーだよ」
「彼は検察の上層にいる。ライブは単なるITの暴れん坊ではないのだ」
「Sの口座を調べたが相当な会社や個人から200億が振り込まれている。だが怪しげな会社と個人ばかりで特定できない。これを見ると相当な高利でライブは資金を集めたのだろう」
 調査資料に目を通す。
「ライブは設立当時は詐欺まがいのシステムを開発をしていた。その当時も警察ががさをやったが、不起訴になっている。これが当時の資料だ。一度ゆっくり見てくれ。それに何かあればここに直接連絡をくれ」
 社長は立ち上がるとポケットからカードを出してきた。
「これから経費はここから出すのだ。総務に回す必要も了解をとることもない」
「社長の機密費だ。私はあまり聞きたくないがね」
「Sを見張っていたのですが、エリがSの女社長と会っています。200億の時期です。エリの周りにやくざの臭いがあるのです」
 部屋から出るとスマホ取り出す。 
『エリのパソコンには入れないのか?資金はもう少し送る。合わせてライブ会長の会社設立時期のことを調べてくれ。後日調査資料も送る』
 正一へのメールだ。単純なハカーならアゲでいいがこういう調査は社長でなければできない。彼は本業は企業内の情報の調査だ。本人もいつか捕まるかもしれないと自覚している。








テーマ : ミステリ    ジャンル : 小説・文学
  1. 2017/05/20(土) 06:30:59|
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迷路12

 またいつもの喫茶店で神部と会う。
「まずエリの男関係の調査ですが、今のところまったく見えませんね。ただ見過ごしていたのですが、今の戸籍は彼女が18歳の時に作られています」
「それはどういうこと?」
 神部はどうしてエリの戸籍をとれたのだろうか。それに彼女の戸籍は一人っきりだ。
「不思議だろ?それでいろいろと手を使って調べた。原籍にたどってみたのです。青森に母親の籍があって両親は亡くなっています。子供は長男に長女がいます。だが青森に調査を頼みましたが、すでに自宅はなくなていていました。その長女がエリです」
「長男は?」
「長男はまだ籍は残っていますが、どこにいるかは不明です。母親も同様です。これ以上は調査は無理です」
 コーヒーカップを持ち上げた時スマホが鳴る。ヒロかアゲか?
『今からすぐに戻ってこれるか?』
 今のトップの社長だ。
『何かあったのですか?』
 社長が直接入れてくるには初めてだ。
『君が調査の依頼をしてきたネット証券会社の買収資金の200億の出所が分かった。あのSから出ている。だがSから先は分からない』
『10分ほどで戻ります』
「Sをもう少し調べてほしい」
「Sは気になるのであの女性社員を張り付けていますよ。まず出入りの人物は写真を撮って身元確認をしています。畠山は何度か訪ねてきています。それに今回は男性に女社長を尾行させています。彼女は先日『梨花』に行ってエリに会っています』
「元同僚ということもありますが、エリはSに係わりがあるように思いますね」











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  1. 2017/05/19(金) 06:46:34|
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迷路11

 下位だが朝刊にライブによるネット証券会社が買い取られたとある。それでも株の購入資金で200億がかかっている。今のライブにそんな力はないはずだ。それでパソコンでこの記事を探す。一番詳しいのは証券新聞だ。その目の前に湯気を上げたコーヒーが置かれる。
「水野か?」
「寂しいだろうと思ってコーヒーを入れてきた」
「お前へべれけで大変だったんだぞ」
「ホテルに連れ込んでもらえるように頑張ったんだから」
と言いながら新聞を広げて机に置く。ネット証券会社の組織図が乗せられている。
「畠山が取締役?」
 完全にライブの会長の駒になったわけだ。この会社の買収はほとんど現場の人間には知らされていなかったようだ。会長がエヌをあきらめるきっかけは未公開株の払い戻し時期だろう。この辺りから今の会社を手にするのは不可能だ。
『今日買収されたネット証券会社の買収事情を調べてくれ』
 神部にメールを送る。反応するようにアゲのメールが続く。
『畠山のスマホの中にここ20日のうちに何度も今日買収されたネット証券会社のホームページにアクセスしているのは異常だよ』
『いつからだ?』
『車にぶつけられた辺りからよ』
「凄いえっちな!妹さん?」
 水野が声を上げる。アゲの写真は毎回ヒートアップしている。もう下も丸見えだ。
「いやハカーの娘だ。手ごわい君のライバルだよ」
「一度妹さんに合わせてください」
「会わない方がいいと思うけど」


 










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  1. 2017/05/18(木) 06:43:47|
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迷路10

「憂鬱そうね課長?」
「エヌの方はどうなのだ?」
 ようやく杖を突かなくて歩けるようになった。だがびっこだが。
「憑き物が取れたようで私はよかったと思う。いい会社だからじっくり伸ばせばいいのよ」
 今回でエヌの副幹事に戻ったことで、水野は元の上場室にカムバックだ。ということは調査室は私一人になる。
「晩飯付き合わないか?」
「珍しいね。可愛い妹さんは?」
「あいつは寝てから帰ってくる」
 タクシーを捕まえると昔のエリと暮らしたマンションの近くのスナックに向かった。
「久しぶり!」
 髭のマスターが手を上げる。エリは料理をしないので夜にはたびたびこの店に寄っていた。
「エリはあれから?」
「来たことがないよ」
 窓際の馴染みの席に座って赤ワインをボトルで頼む。水野は珍しくぐいぐいと飲む。
「エリがここに私以外の男性を連れてきたことは?」
 料理を運んできたマスターが、
「今の話だが、ここに連れてきた男性はいない。だが何度かこの前に白いベンツが止まってエリさんが乗り込んだことがある。あれはやくざが乗るベンツだな」
 そんな付き合いがあったのか?
「なぜ前の彼女がそんなに気になるの?」
 とろんとした水野が吠える。
「実はエリの子供はライブの会長でも専務でも私でもなかった。誰なのだろう?それが気になって仕方がないのだ」
 どうしてやくざが出てくる?
「私は妹さんがライバルよ」







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  1. 2017/05/17(水) 06:30:13|
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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