迷い道

結婚相手から罠をかけられた。奈落に落ちてヒロにあった。ヒロは見違えるようないい女になっていた。再び舞台に戻り捨てられた謎に迫る。


邂逅11

 その夜ホテルに久しぶりにヒロと泊まった。この事件が終わったらアゲも入れて3人で生活をしようと言うことになった。それでヒロがマンションを探すことになった。前の社宅にいるわけにはいかないと言うのもあった。
「風邪引き?」
 珍しそうに水野が覗き込む。翌日はホテルで昼まで寝ていたのだ。
「風邪を引くようなことしたな?兄妹って怪しいんだから」
 そう言われながら新聞ばかり見ている。ライブ元会長の秘書の自殺を再調査とある。これは私が警察に畠山のUSBにあったライブ会長の自殺偽装の教唆部分を抜き出したのだ。もちろんエリの係わる部分は故意に外した。
『うれしい!一緒に暮らせるのね』
 アゲからの生尻を突き出した写真と流れてくる。ヒロといろいろ話しているのだこの二人は。
『ところでお仕事だけど、ヒロが誰かにつけられているって心配して調べたけど、どうも西崎のようなの。彼の位置情報がここしばらくヒロと一緒に動いているの』
『西崎はチェリーを指名してるが?一昨日の夜の動きを見てくれ』
「また妹?」
 水野がフマホを覗き組む。
「グループ吸収は順調なのか?」
「株価は少し戻りつつあるわ」
『あの夜は8時頃から『梨花』に重なっていて、朝まで重なっている。まさかヒロ寝たのかしら?』
 そんなことはない。あの日は私と同じベットにいた。まさか西崎がつけていたのか?
『しばらくヒロには内緒で2人を追ってくれ』
『焼きもち?』





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  1. 2018/02/14(水) 05:47:16|
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邂逅10

「最近チェリーを指名しているのね?」
「いや、ネット社長のお薦めでね」
「あの子は可愛いわ。私でも抱いてみたいと思っているもの。最近吉井は私を抱こうともしないわ。雄介もそうでしょう?」
「ライブの会長が逮捕されたが?」
「彼はもう下がるところがないのよ」
「君は?」
「私ももう失うものは亡くなったわ。兄はもう愛してくれないし・・・」
 エリは元気になったが目に力がない。
「今のクラブをやればいいじゃないか?」
「そうね。あなたはどこまで証拠をつかんだの?」
「そこそこだ」
「最後まで追い込む?」
「ライブの会長はでもエリがもうクラブに帰るのなら考えてもいい」
 これは偽らない気持ちだ。だが警察はどこまで踏み込むかは分からない。
「もうやめろよ。畠山も自業自得だ」
 メールがポケットの中で震えている。
「もう店も終わったわ。最近西崎と寝ているの」
「そうか」
「恋人ができた?」
「いや」
 ドアを出ると暗い通路を抜けて裏口に出る。もう店のネオンは消えている。路地を抜けていくとヒロが腕を組んでくる。
「美味しい店があるよ」







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  1. 2018/02/13(火) 05:41:14|
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邂逅9

「飲む?」
 エリがビールをテーブルに押し出す。
「吉井と会ったのね?」
「西崎から聞いたのか?」
「ええ」
「あなたの調べた通り吉井は私の兄よ。初めて抱かれた男性。子供も吉井の子供よ」
「調べた」
「兄は興味で私を抱いたけど、私は狂ってしまった。彼に捨てられないようにといろいろ頑張った。結婚したいと籍も抜いたわ。でもどんどん離れていく」
「あの時ライブの会長は私の自殺を教唆したらしいね?それに専務は懲戒解雇を?」
「それも聞いた?」
「ああ、今までは嵌められたとばかり思っていた」
「嵌めたそれは事実。恨んでいいよ。でも吉井も言っていただろうけどあの頃は雄介を愛していたわ。でも兄とどちらかを選べと言われれば兄よ。あの時ライブの会長は雄介を消さなければ吉井組を切ると言ってきた。それで畠山を使って不正を作り出した。彼奴はその度に金と体を求めてきた」
「私が戻ってきたのは予想外だったのか?」
「ライブの会長は私のミスだと言っているわ。その通りね。タイにも来ていたのね?」
「ああ」
「あれは兄は関係ない。タイに連れ出すのは兄の部下だったけど、拷問をしたのは西崎の部下よ」
 ドアがノックされてチェリーがオードブルを運んでくる。さすがに心配しているようだ。その時エリの目が光ったような気がした。








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  1. 2018/02/12(月) 06:28:19|
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邂逅8

 水野がリーダーでライブの再編成を上場室全員を動かして開始した。
「記事を載せたのだけど反応はまちまちなの」
 水野がパソコンをこちらに向ける。会長を解任して徐々に株価が回復をしていたが、グループ会社の決算報告が出始めるとまた反落した。この記事で1割を回復したが伸び悩みをしている。
『エリが会いたいと言ってるが、今夜9時に『梨花』に来れるか?』
 ネット証券の社長からだ。彼はエリと私の微妙な中間にいる。
『エリは今出てきているのか?』
 ヒロにメールを送る。ちょうどクラブに入った頃だ。
『3日前から出てきているよ。昔の元気なママに戻ったみたい。でも最近西崎がカウンターでママとひそひそ話しているよ』
 9時に『梨花』に着く。ネット社長のボックスに案内される。ボックスにはチェリーとサブが座っている。チェリーはもう人気のホステスになっている。カウンターにヒロが言っていたように西崎と並んで掛けている。エリがこちらを見たようだ。チェリーが立ち上がってカウンターに行く。
「タイに行ったらしいな?」
「エリが言っていたのですか?」
「ああ」
 チェリーが戻ってきて私に耳打ちした。
「事務所の応接に案内するわ」
 初めてクラブの裏側に入った。化粧室にロッカーが並んでいる。華やかな店地裏腹に雑然としている。半裸のホステスが着替えている。
「ここはホステスの採用に使うのよ」
 小声でチェリーが囁く。チェリーがノブを押すと煙草を咥えてスナホを持ったエリがいた。








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  1. 2018/02/11(日) 06:59:23|
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邂逅7

 女記者の週刊誌を手に久しぶりに警視庁の玄関に入る。部長のネームの部屋のドアを押す。制服の岬が別の顔で私を迎える。吉井組長と会った夜中岬は筋肉の鋼のような体で私に絡みついていた。
「畠山の遺体を日本に移送した」
 部長は俯いたまま資料に目を通している。岬はパソコンに検死報告を映し出してこちらに向ける。胸の空いたドレス姿の岬を見慣れているので制服が浮いて見える。
「週刊誌にすっぱ抜かれたが元々君の情報だからなあ。検死の報告を簡単に説明したまえ」
「毒殺だと思えますが、指が右手で3本、左手で2本、根元から切断されていました」
 やはり拷問をしてUSBを出さした。だが畠山は原本を残していた。
「そちらはどこまで証拠を握っているのか?」
「ある程度」
「どこまで出す?」
「ライブの会長を追い込むために少し時間をかけたいのです」
「ライブの会社は?」
「グループの編成を行って生き残りにかけています。吉井組まで挙げる予定ですか?」
「オレオレ詐欺の頭は挙げたが組にまでは無理だ」
 パソコンの画面に畠山の欠けた指が写っている。彼奴も欲をかきすぎたのだ。元々は気の小さな男なのだ。
「今日すでにライブの会長を呼んでいる」
「任意ですか?」
「逮捕だよ」
「容疑は?」
「株価操作の指示だ」
「これについては現在のネット証券の社長から畠山がライブの会長から株価操作の指示を受けていた証拠を出しています」
「その逮捕の間にある程度の殺人示唆の証拠を出せと言うことですね?」









 
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  1. 2018/02/10(土) 06:41:23|
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プロフィール

yumebito86866

Author:yumebito86866
夢人です。これは『空白』に繋がる作品ですが、これは段ボール箱の住人ではありません。今回書下ろしで書き始めました。ここに登場する人物はみなどこかで触れあった人物ばかりです。そして知った事実がこの小説を書かせました。

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